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ロリ戦士さんとロリコンエルフさんの話(仮) 5

「ミリスが身に着けている装飾品って、その腕輪だけですよね?」


街を歩いていると、さり気なく人混み側を歩いて小柄なミリスをガードしていたハロルドがふと気付いたように言った。

その言葉に、ミリスは右腕を持ち上げて改めて古い腕輪を見やる。


「まぁ、そう言われて見ればそうだな。…もっともこれは、アクセサリーと言うよりは母の形見だし、魔道具としても便利だから着けているのだけれど」


彼女の亡くなった母親の形見だというその古ぼけた腕輪は、炎の魔法を残らず吸い取るという大変強力な性能を持った魔道具である。現代の技術で量産出来るものだとは到底思えず、代々伝わる物だという話からも『失われた魔術(ロストマジック)』の施された魔術的にも歴史的にも大変な貴重な品である事はほぼ確実であろう。

ハロルドも魔術師の一人としてその魔道具に探究心を引かれない訳ではないのだが、大切な母の形見であるそれをミリスがそう簡単に研究に使わせてくれる筈もなく、何よりハロルド自身が愛する少女の気を害して嫌われたくないので、疑問に思うだけに留めている。

それはさておき、その形見の腕輪以外の装飾品など、ミリスは何も身に着けていない。旅装束も見た目重視ではなく、動き易く丈夫なものをいつも着ているせいか、どうにも彼女の格好には華がないのだ。

……もちろん、素のままの彼女も素敵だと思うハロルドだが、せっかくなのだから可愛い彼女の可愛い格好を見てみたい。と、思うのは男として何も間違っていない筈だ。


「せっかくですし、何か他の装飾品も着けてみませんか? ほら、ちょうど装飾品の店がありました」
「何がせっかくなのか分からないが、あまり無駄遣いは……」
「私のポケットマネーですから。ほら」
「あ、おい!」


言い澱むミリスに反論の隙を与えず、ハロルドは彼女の腕を引いて、近くの小さなアクセサリー屋に入った。

キラキラとした宝石や銀細工など、普通の女性なら心動かされそうな商品にも、ミリスは特に反応はない。まぁ、彼女の反応はある意味予想の範疇内だった為、ハロルドはせっせと彼女に似合うだろう装飾品を物色した。


「ほら、こんなイヤリングはどうです?」
「宝石が重そうだな。動く時に邪魔じゃないか?」


まずは大きめの宝石の付いたイヤリングを持って行くが、軽く見ただけで却下されてしまう。どうやらアクセサリーにはほとんど心を動かされないようだ。


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あきゅろす。
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