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パレード
※ 似非霊能系ファンタジーとか
実家のじいさまに呼び出され、一週間程留守にしていた我が学び舎は、たったの七日間でこれでもかという程に淀んでいた。
「うわぁお……」
思わず呆れ半分感心半分で声を漏らすが、元よりこの学校――この土地は異様に穢れや淀みが溜まり易いという悪癖を持っている。
今更恐れるもなにもないので、ため息を吐いて門扉を潜る。瞬間、空気が変わったのをしっかりと肌で感じたが、気にせずに歩き続ける。
制服のベルトに取り付けた竹筒が、コトコトと動いて「此処から出せ」と言っている気がしたが、部屋に戻るまでは我慢して貰おう。
とりあえず俺は、腹が減った。
家を出る前にじいさまに引き止められたのと、此処が無駄に街から引き離された山の中であるせいで、もうすっかり夕暮れ……逢魔が時。
送迎車の中で寝過ごし、うっかり昼食を食べ忘れた俺は、さっさと寮に戻って夕食に有りつきたかった。
「……とりあえず、キツネ蕎麦……」
大好物の名を呟くと、腰の竹筒の主張がより一層激しくなったが、やっぱり俺はそれを気にしない事にした。
油揚げは食堂のシェフからテイクアウトが出来るから(俺はある事情により、特別に許可を貰っている)、筒の中の相棒には暫しの我慢をお願いしたい。
竹筒を宥めながら歩を進めると、…まぁ校舎よりはマシな程度の空気を纏った寮が見えて来る。
これくらいの淀みなら、応急処置しておけば問題ないかな。
――パン、パン!!
学生寮の正面玄関の前に立ち、ドアを潜る前に小気味良く柏手を二つ。
それで淀んでいた空気がある程度晴れるのを確認した後、俺は寮内に入った。
さっさと部屋に戻って荷物だけ置くと、学生カードだけ持って食堂へと向かう。
「キツネ蕎麦を一つ。…後、帰りにいつものお願いします」
「…かしこまりました」
顔馴染みのウエイターさんにいつものように注文を告げると、彼はまたか、とでもいうように小さく笑って一礼した。
食堂の片隅にちょこりと席を陣取り、四方から流れてくる食べ物の匂いに限界を訴え始めた腹を水を宥めながら待っていると、現れたのは愛しのキツネ蕎麦さんではなく、友人だった。
「おっ、ナギ、帰って来てたのか」
「ん、あぁ。確かに実家に帰って来たトコロだけど」
クラスメイトで、学園内では一番の友人という事になるだろう物部遊真(もののべ あすま)が、食堂の入口からひらひらと手を振りながら此方へやって来る。
ちょうど空いていた俺の目の前の席に物部が収まると、心待ちにした俺のキツネ蕎麦さんが運ばれて来た。
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なんちゃって霊能系ファンタジーです(笑) 主人公は神社生まれのゴーストバスターですw
主人公と攻めの立ち位置が『イレギュラー』の刹那たちに似てるんですが(学校からこっそり依頼された退治屋的)、まぁキャラも性格も違うしいいかという感じw
12/12/21
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