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特待生ですから

雪羽が寝室兼自室としている部屋を覗き込むと、彼は真剣な様子で机に向かっていた。

その背中にすすっと音を立てずに忍び寄り、机の上を覗く。


「……勉強か?」
「わっ。……なんだ月代か、びっくりした」


いつの間にか背後にいた月代に雪羽が驚いて躰を揺らすが、彼が気配なく雪羽に近寄るなんていつもの事だ。

小さく息を吐いて苦笑いすると、雪羽は小さく頷く。


「うん、もうすぐテストだし。特待維持する為にも頑張らなきゃ」


雪羽の成績は元の頭の回転の速さもあるが、多くの努力の積み重ねで保たれている。日々の予習復習はしっかりと行った上で、テスト前にはテスト勉強。それを特別苦にした様子なくやってのける雪羽は、勉強自体が好きなのだろう。

成績は良いものの、自主的な勉強などほとんどしない月代は、雪羽の頭を優しく撫でる。


「な、なんだよ……」
「いや。偉いな、雪羽」
「……そんな子供を誉めるみたいに」


少し照れたように頬を赤くしながら唇を尖らせる雪羽の可愛らしさに、月代は頭を撫でながら身をかがめて椅子に座ったままの彼に口付けた。

触れるだけの口付けに、玻璃色の瞳を隠すように瞼が閉じる。


「……ん」


微かな声を漏らした雪羽にその衣服を乱そうとすると、ハッとしたように目を開いた雪羽がもぞもぞと躰を捩る。


「ちょ、駄目……勉強するんだから」
「……、残念」


そう言われてしまっては、いくら月代でも雪羽の邪魔をする訳にはいかない。

月代かて、特待生である雪羽の成績をどうでもいいと思っている訳ではない。まぁ、食事の時間がずれ込むだけくらいの些細な問題なら、雪羽が口でどう言おうが押し倒す時は押し倒す節操の無い男ではあるのだが。

名残惜しく思いながらも躰を離し、離れ際にその柔らかい頬に唇を寄せる。瞳を細めたその表情にまた煽られるが、緩く首を振って劣情を散らす。


「月代は試験勉強しないのか?」
「あまりしないな」
「しなくても成績いいんだ。……嫌味だなぁ」
「ちゃんと勉強している雪羽には当然及ばないさ」


実際、月代が一年生だった頃よりも今の雪羽の方が成績はいい。もし月代が雪羽と同じくらい真面目に勉強したら或いは雪羽以上の成績を出せるのかもしれないが、本人に全くやる気がないのだからあくまで仮定の話だろう。

そんな事を思っていると、雪羽の玻璃色の瞳がじっと月代を見つめていた。その瞳に見つめられるのは心地好く、月代はまた雪羽の唇に軽く口付けた。


「……勉強するんだってば、もう」
「邪魔して悪かった」
「んー、まぁいいよ。邪魔しないなら、其処にいても」


言って、部屋のベッドを差す。其処から、勉強する雪羽を視姦…もとい、観察していても構わないと言う事か。


「気が散らないのか?」
「月代は仕事してる時、俺が見てて集中力落ちてる?」
「……いや、なら大丈夫か」


一般論としてそう訊いた訳だが、自分の例を持ち出されて確かに別に気にならないかと頷いた。

ならばじっくりと、勉強に勤しむ雪羽を観察し、愉しませて貰おう。

終わった後にベッドで雪羽を迎える、役得まで含めて。













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いや、気にしろよ(笑) 時々月雪のいちゃつきっぷりにはツッコミが必要だなー、と思う事がありますが、同時に二人のいちゃつきに他人なんて要らないよなとも。ツッコミ役がかわいそう(笑)

雪羽は真面目な子なので、ちゃんと真面目に勉強してますよ。月代も、そこは流石に邪魔しません。終わったらセクハラする気満々ですがww


14/7/7〜10/7(拍手掲載)

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