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ふたりでいるならしあわせだから

「お盆休み、どうしようか」


お盆の間はずっと休めるんだよね?、とベッドの上でうとうととしながら雪羽が問う。

二人にとって、二度目となる夏。互いに明確に『付き合っている』という意識がある今年は、互いに実家に帰省していても去年とは比べものにならない程頻繁に連絡を取り合っているし、主に月代が時間を作っては直接会ってもいる。

世間ではお盆の期間に突入し、実家の仕事で忙しかった月代もやっと数日纏まった休みがとれて早速雪羽を個人用のマンションへ連れ込んだのが今日だ。

存分に堪能した雪羽の躰を労るように撫でてやりながら、ベッドに腰かけた月代は目を細める。


「そうだな…、どうしようか。去年のように夏祭りにでも行くか?」
「……今年の夏祭りは昨日だったんだよ、月代」
「そうだったのか…、すまない」


少しだけ拗ねたような雪羽の答えに、そういえば夏休みが始まる前に日付を聞いた気がする月代は気まずそうに謝った。

今年は去年以上に任された仕事が忙しく、スケジュール確認を怠ってしまっていたのが敗因か。ギリギリ間に合わなかった事にか、月代が夏祭りの日程を忘れていた事にか、膨れっ面をする雪羽を宥めるように口付けを落とす。


「……、誤魔化しやがって」
「すまないな」
「…いいよ。忙しかったんだろ?」


髪を優しく梳いて、唇の上にまた柔らかいキス。

本気で臍を曲げている訳でもない雪羽は、苦笑いして月代にキスを返した。

腰の辺りを労るように撫でていた月代の手を取り、雪羽の方から柔らかく指を絡める。そのまま、穏やかな夜色の瞳を覗き込んだ。


「何処か出掛ける? お盆だから、何処も混んでそうだけど」
「今年はずっと暑いという予報だからな……、混んでいる場所にはあまり出掛けたくないが」
「あー…」


言われて、今週の天気予報を思い出す。今年のお盆休みは毎日のように30度を超える予想で、外に出るだけで汗が噴き出すような暑さになるだろう。

せっかくの休みなのだから、忙しかった月代にはゆっくりと休ませてやりたい。雪羽は絡めた手の指をギュッと握った。


「ん?」
「…じゃあさ、いつもと同じだけど、二人で家の中でゆっくりしよっか。見たいDVDがあったんだ」
「…そうか。そうだな」


いつもと同じだけど。そう言って玻璃色の瞳を細めた雪羽に、月代も柔らかく表情を緩めて返す。

外へ出掛けるのも魅力的だが、二人で居られればそれだけで充分幸せなのだからそれでいい。

そう口に出すのは恥ずかしいけれど、この月代の優しい瞳を見ていたら、彼も同じなのだと思っていいのだろうか。

くすぐったい気持ちになりながら、雪羽は月代の胸元に顔を埋めた。


「明日、一緒にDVD借りに行こう」
「…あぁ」


ちゅ、と旋毛に落とされた口付けの感触の余韻に浸りながら、雪羽はゆっくりと瞳を閉じた。














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二年目の夏のお話。あまりにも暑くてお外に出たくない(笑)

二人でソファーに座ってくっ付き合いながらぼんやりDVDを見るだけの休日でもいいじゃないですか、二人でいるだけで幸せなんですから。っていういつもの夫婦のお話でしたwww


次回、真夏のホラー鑑賞編に続かない(笑)


13/8/14

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あきゅろす。
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