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変わらない世界

※ 未来(恋人)設定



生徒会関係の資料だろうか、真剣な顔をしてファイルを眺めている月代を、彼の膝の上に乗ってすぐ近くから見つめる。

書斎で読書をしていた雪羽を手招き自らの膝の上に座らせたと思ったら、そのまま仕事に集中し始めた月代も月代だが、特に忙しい訳でもないからとされるがままになっている雪羽も雪羽かもしれない。

さしあたってやる事がない、とはいえ月代の膝に乗っているだけでは手持ち無沙汰。雪羽はぼんやりとすぐ側にある月代を眺める。

細い銀フレームの眼鏡を掛け真剣な瞳で仕事をこなす月代のいつもと違う雰囲気に暫しぽかんとしていたが、ふと気付いた事に声をあげた。


「…あれ?」
「…、どうした? 雪羽」


片腕で雪羽を抱き、反対の手で資料を捲っていた月代が、不意にあがった声を聞き視線を此方へ向けてくる。

薄いレンズ越しの、夜色。

思った以上にマッチしていて気付かなかったが、彼は何故眼鏡を掛けているのだろうか。


「アンタ、視力はいいんじゃなかったっけ? 何で眼鏡掛けてるんだ?」


以前視力には自信があるだかなんだかと、言っていたような気がしたが。

首を傾げる雪羽に、眼鏡の弦に手をかけた月代がふ、と笑う。


「別に、視力矯正の為に掛けてる訳じゃない」
「度入ってないって事か?」
「あぁ」


頷いた月代が眼鏡を外し、雪羽に掛けさせてみせる。

なるほど、視界は変わらない。確かに伊達のようだ。

眼鏡を月代に返すと、彼は再び度の入っていない眼鏡をかけ直した。


「…で、何の為に掛けてるんだ?」
「似合わないか?」


訊き直せば、返ってきたのはそんな問い掛け。

雪羽はぱちりと玻璃を瞬かせ、改めてまじまじと月代を見つめる。

細い銀のフレームは、彼の整った顔に知的でかつ禁欲的な雰囲気を添えていて、…一言で言うならば格好良い。


「……似合ってる、けど」
「なら、構わないだろう」
「うん…?」


唇を釣り上げ満足げ頷く月代に、雪羽は曖昧に首を傾げた。

白く柔らかい頬をさらりと撫で、月代はそのままの姿勢で仕事に戻る。

月代に片腕で抱き込まれた雪羽はまた、伊達眼鏡を掛けた彼の顔をその膝の上から眺めるのであった。



(…珍しいからかな、見てて飽きないなぁ)
(じっと見つめてる。…可愛いな)















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月代は視力3.0(笑)なのに、何でか昔のバレンタインlogでは眼鏡を掛けてたね、っていう話w

まぁ、伊達です(笑) 雪羽を誑し込む為の伊達です(爆)

雪羽を膝の上に乗せたまま仕事するとか…、ホントに、もうw 文中に、「このバカップルめ!」と突っ込む人がいないのが残念なところw


11/3/11

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