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Dolce 7 ※

「……挿れるぞ」
「ん……きて」


こくりと頷いた雪羽の囁きの余韻が消えるか消えないといったうちに、添えた熱をゆっくりと解れた入り口に押し進めていく。


「あっ…」


詰まるような吐息を漏らす唇を捉え、そのまま重ねる。

甘えたがりの雪羽は、挿入時の口付けがないと寂しがるから。…などと言うと、可愛い恋人を言い訳代わりに使っているようだが、月代だってもちろん繋がる瞬間に彼に口付るのはやぶさかではない。

柔らかい緋色の感触をただ味わうように、唇で食むよう啄む。深くまで貪るフレンチキスも良いが、戯れのように啄み合うバードキスの感触も、好きだ。


「ん…っ」
「……雪羽」
「ん、月代……ふぁ」


口付けの合間、角度を変える短い間に囁くと、うっすらと瞼を持ち上げた雪羽からも応えが返る。

うっとりと陶酔に蕩ける玻璃色に此方も瞳を細め、中腹まで埋まった自身を奥までひと息に押し込む。


「あっ……!!」


下から突き上げられる形になった雪羽が、躰をびくりと震わせて上擦った嬌声を漏らす。

奥までの感触にまだ馴染まないのか、背を強ばらせる雪羽を宥めるように腰に回した手のひらで優しく背と腰をなぞり、濡れた唇にまた口付けを落とした。


「ん……ぁ」
「奥まで……入ったな」
「ん……」


耳元に囁くと、その耳を赤く染めながらもこくりと頷く雪羽。

離した唇を追うように、雪羽の方から唇を重ねられる。


「…雪羽?」
「……、もっと」


月代の愛して止まない玻璃色の双眸を潤ませて、甘えるように強請る恋人の、なんという愛らしさか。

思わず音もなく口内に溜まった唾液を飲み下した月代に、雪羽はくしゃりと微笑む。


「馴れるまで……キス、してて」
「あぁ」


追撃のような言葉で誘われずとも、今すぐにその濡れそぼった唇を、口腔内を貪り尽くしてしまいたかった。

後頭部に腕を回して赤く染まった顔を引き寄せ、今度は開いた口腔の中に舌を差し入れながら口付ける。

月代の背に縋りつくように腕を回した雪羽は、入り込んできた不埒な舌に自ら応えるように舌先を絡ませる。

まだ、僅かな拙さを残すその仕草だが、出逢った頃と比べれば随分と技巧も積極性も上がっているだろう。

その色を、何も知らない雪羽に仕込んだのは、他の誰でもない自分で。

可愛い可愛い、雪羽。原石のようだったこの恋人を、ずっと大事に大事に磨き上げてきた月代は、湧き上がる愉悦に唇を弦月に歪めた。


「んっ……ふぁ」
「…ん、雪羽…」


他の、誰のものでもない。この蕩けるように甘い恋人は、自分だけのものだ。


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あきゅろす。
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