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ジプソフィラ
3 ※

* * *



混乱から我に返ってくるのも束の間、抵抗虚しく体格差から相手に簡単に押さえ込まれ。

何よりまだ若い健康な躰は、与えられる快楽には従順過ぎて。


「…はぁっ、んゃぁ…」


いつの間にか、雪羽は相手の躰に縋りついて甘く喘いでいた。

部屋着にしていたTシャツは胸元まで捲りあげられ、露になった赤い飾りを指先を使って弄られている。

男なのに、そんなところに触れる意味などない筈なのに。未知の快楽に、雪羽はただ首を振った。


「んぁっ…やだっ、そこ…」
「…嫌?」


愉しげに囁かれる声。

目の前の男は低く喉を鳴らして笑い、ぷっくりと勃ち上がったそこを爪先で弾くように刺激した。


「ゃっ…!」
「もうこんなに熟れている…、かなり感じているようだが? 雪羽…」
「ちがっ…、ぁっ…!」


否定を口にしようにも、続く刺激に言葉が途切れてしまう。

…主導権は完全に相手にあった。雪羽には、最早どうしようもない。

紅梅の唇から、更に紅い舌が覗く。チロリと、誘うように。


「熟した此処は、甘いのだろうな…?」
「っぁ、そんなわけっ…!」
「試してみなければ分からないだろう?」
「…あんっ!」


真紅の舌先が、まるで味見でもするように雪羽の胸を滑る。一瞬の快感に、また嬌声があがった。

月代は目を細め、おかしそうに行為を続ける。


「一瞬ではよく分からないな…」
「やっ、…あぁっ…」
「嗚呼、やはり甘い…」
「んっ、あぅっ…!」


ひっきりなしの快感に、頭がおかしくなる。…否、もうなっているのかもしれない。

この男から与えられる快楽が、こんなにも『心地好い』と感じるなんて…。


「…あっ!?」
「此処は、どうだ?」


胸元ばかりに気を取られていたら、いつの間にか月代の手は下方に伸びていて。

快楽に反応していた其処を布越しに撫でられ、上擦った声が漏れた。


「…やだ、そこはっ…あぅっ!」
「やだ、なんて口だけだな? もうしっかり反応しているぞ」
「やんっ、だって…!」


意地悪く笑う月代の声に、雪羽は涙目になりながらも首を振った。

仕方ない。所詮男子高校生の躰など、快楽に従順なのだから。

特に雪羽は、他者から直接快楽を与えられた経験がなかった。…異性と付き合った事がなかった訳ではないが、全て健全な付き合いで終わったから。

刺激が強すぎるのだ。この男の与える快楽は。慣れない躰には、剋ち過ぎる。

唇を噛み締め快楽をやり過ごそうとした雪羽だが、布越しに撫でていたその手が下着に掛けられた時点で静止の声をあげた。


「…あっ、だめっ!」
「駄目? 此処は、触って欲しそうにしているが?」
「ひぁっ、あぁっ…!」


…もちろん、上擦った静止が通じる筈もなく。

中途半端に下ろされた布地と、けれど全て露にされてしまったあられもない自身と。

羞恥に顔を染める暇もなく与えられた刺激に、また声があがった。


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