ジプソフィラ
7 ※
「何だ、気を悪くしたか? …可愛いって言ったんだよ」
ムッとして彼を見上げれば、またからかうような声。…莫迦にされている気しかしない。
「…こんな状況で睨まれても、男は興奮するだけだぞ」
「………」
「ッ、…生意気だな」
笑う月代に反抗するよう、わざと軽く歯を立ててみせる。小さく息を呑む声に、微かに溜飲が下がる。
「ん…むぅ」
銜えきれない彼のモノを、ぺろぺろと味わうように舐めていき、反応を確かめようと月代を見上げる。
「ん……きもひい……?」
「…ん、あぁ…」
微かに夜色の瞳を細める、その仕草が色っぽい。…自分がこの男に快楽を与えているのだと思うと、優越感が滲む。
「…どうかしたか?」
「んーん…」
そのままぼんやりと月代を見つめていたら、怪訝そうにした彼に頬を撫でられた。
見惚れていた、なんて言えない雪羽は、微かに首を振ってまた彼のモノに顔を埋める。
奥まで銜え込むように舐め上げれば、感じている証として先端からじわりと液が染みる。…好きになれる味ではなかったが、雪羽は不思議と嫌悪を抱かずにそれをちゅっと軽い音をたてて啜る。
「…んむ…ぅ…」
「…なぁ、雪羽…」
「ん…?」
いつしか、その行為に夢中になっていて。
懸命に月代を銜える雪羽の前髪を愛おしげに撫で、月代が訊く。
「このまま…最後までいいか?」
「…?」
月代の問いの意味が捉えきれず、雪羽はぱちぱちと幾度か瞬きをする。
きょとんとした何処か幼い瞳が、この卑猥な行為には不釣り合いで、月代はクスリと笑う。
「…お前の口の中に、出してもいいか?」
「……!」
言い直された事でその意味を理解した雪羽は、ブルーグレイの瞳を大きく見張った。
頬どころか、耳まで真っ赤に染まったが、月代のモノから顔を離す様子はない。
「…離さない、ってコトはいいんだな」
「! …んっ、ぐぅ…」
フッと、一度またいつもの意地悪な顔で笑った月代は、雪羽の後頭部をやや乱暴に掴んで口腔内を犯す。
驚いた雪羽は咄嗟に躰をよじるが、掴まれた頭を外す事は出来ない。
「ん…! ぅ、ぁ…ん!」
「ホラ、舐めろよ」
「んぁ…ふ…!」
慌てる雪羽に、愉しむような月代の声が落ちる。
只でさえ銜えきれなかった彼のモノを、更に質量を増した状態で銜えているのだからその分圧迫感も大きい。
…こんな大きな、凶悪なモノをいつも自分は受け入れていたのかと思うと、クラリとする。
「…ぁ…んっ!」
必死で口腔内を犯される圧迫感と戦っていると、頭上から月代の急いた声が降ってくる。
「…ッ、そろそろ…出すぞ」
「…ぁ…んゃ…」
「…クッ…ァ」
「! ァ、…んぁ…っ」
──爆ぜた。その瞬間は、ただそう感じた。
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