ジプソフィラ
6 ※
「嫌じゃないなら…、出来るだろう?」
「……っ!」
低く耳の中に吹き込まれ、背筋がゾクリと跳ねる。
戸惑いながら月代を見上げるが、彼はただ艶然と笑うだけだ。
「…あ…ぅ…」
「雪羽」
「うぅ…」
困りながらきょろきょろと周囲に視線を走らせたが、目に映ったのは見慣れた、やたらに波打ったシーツだけだった。
視線を上げれば、笑う夜色。
「…ど…したらいい?」
観念して、口を開いた。…結局、彼には逆らえない。
うつ向き、顔を真っ赤にしながらもそう言った雪羽に、月代は目を細めた。所在無さげに握り締めた、その手を導く。
「…まず、出して」
「…ぅ…」
言われるまま、おずおずと月代のボトムに手を伸ばしてジッパーを下ろした。取り出した彼の雄に、思わず息を呑む。
「…何だ、初めて見る訳じゃあるまいし」
「っ、こんな距離で見るのは…初めてだよっ…!」
からかう口調に、やけくそ気味に怒鳴って返す。
…それは、確かに何度も彼のモノを胎内に埋められ、穿たれてはいるけれども。こんな風に眼前で見るのは初めてだ。
半勃ちの月代の自身は、同じ男としても羨む程の大きさと形をしていて……なんと言うか、あまりの卑猥さに言葉を失う。
「ほら、銜えて。舐めろ」
「…ちょ、無理っ…!」
恥ずかしいし、同じ男のモノをという事に抵抗もある。が、それ以上に物理的に無理なのではないかと思った。
多分、奥までは銜え込めない。
「おっきいから、無理だって…!」
「…お前な…」
「ふぇっ…!?」
感じた通りを素直に口に出すと、何故か月代は今までの余裕めいた声から変わって困ったような響きで息をついた。
同時に目の前の雄が軽く震え、先程よりも更に大きくなったように思えた。
「ぇ、月代…?」
「いいから、銜えろ…!」
「! はぅっ……うむっ…」
戸惑って月代の顔を見上げようとすると、乱暴に後頭部を掴まれて一気に口内に銜え込まされてしまった。奉仕と言うよりは、無理矢理犯されたようだ。
突然の事に訳が分からず、雪羽は目を白黒とさせる。
「…チッ、歯は立てるな」
「…んっ……ふぅ…ぐ」
歯を立てるも何も、月代が何の前触れも覚悟も与えてくれずにいきなり突っ込んだのに。
そう思いながらも、雪羽は何とか彼のモノを銜え込み、舐めてみようと努力はしてみる。
やはり彼のモノは大きく、雪羽の口腔内には収まりきらない。先端から中腹にかけてに、懸命に舌を這わせていく。
…これで良いのだろうかと窺うように月代を見上げれば、微かに眉を寄せた彼が、後頭部を掴んでいた手で優しく額を撫でてくれる。
「そう、それでいい。…後、舌だけじゃなくて口全体も使え」
「んっ…む…?」
「…ふ、拙いな」
注文に、眉を寄せながらも応えようとすれば、微かに笑う声。
…何だか、小莫迦にされたようで不愉快だ。初めてなんだから、上手く出来ないのも当たり前なのに。
≪ ≫
[戻る]
無料HPエムペ!