ジプソフィラ
5 ※
「…雪羽」
「…っ…! 月代、…お願いっ……あぁ!」
「良く出来ました」
恥じらう雪羽が瞳を潤ませながらも言葉を紡げば、愉しげに笑った月代は彼の望む通りに指を動かした。
爪先で弄ぶ様にいじっては、軽く離して。刺激に反応して熟れていく其処に、唇が歪む。
「…相変わらず、此処が好きなんだな」
「んっ…あ、…ねぇ月代…」
「…舐めて欲しいのか?」
「ん…お願い」
指先だけでは満足出来なくて、次の刺激を望む。玻璃の瞳が薄く涙を湛える様は、なんとも美しい。
熟れた果実を啄みつつ、月代がからかうように囁く。
「淫乱な躰だ」
「…っぁ! …ぅるさいっ、変態…」
「そうだな。…変態な俺に喘がされる雪羽も、変態だろう?」
「あぁっ…! ゃ、歯は立てないで…!」
反抗的な言葉を咎める様に、やや乱暴に白い歯が突き立てられた。
反射的にビクリと跳ねた背中は、痛みより強く快楽を感じている。
…淫乱、そう言われるのも仕方ない事だと思うが、認めるのは悔しい。
「食べられるの、好きな癖に」
「んっ…やだぁ…」
「…嫌か? ……ふぅん、なら、お前が“食べて”みるか?」
「…ふぇ…?」
胸元を啄んでいた美麗な顔が離れて、雪羽は寂しげな声を上げた。
見上げた月代の顔は、見慣れた意地の悪い笑み。
「…何?」
「舐めろよ、雪羽」
「え…?」
命じられたその意味が分からず、雪羽は緩く首を傾げた。紅梅の唇が弓張り月に歪むのを、じっと眺める。
僅かに潤んだその玻璃を引き寄せて舐め、月代は囁く。
「俺のモノを…舐めろ」
「え? …えぇっ!?」
囁かれた言葉に一瞬目を見張り、意味を理解した瞬間叫ぶ。
「えっ、ちょ…、えぇっ!?」
「何だ?」
「何だ、って…、だって、そんな事…!」
月代は平然としているが、雪羽はそれどころではない。顔は真っ赤に火照り、目を白黒させて月代を見上げる。
…だって、舐めろと。彼のモノを舐めろと!?
「…そんなに動揺する事か?」
「する事だろっ!? …だ、だって、そんな事…!」
「嫌か?」
眉をひそめる月代に、雪羽は思わず口ごもる。
…嫌だと思われたら、彼が「嫌」だろうか…。
「…嫌って…言うか……無理だって…」
「無理? 何故だ?」
「恥ずかしい…ってか、抵抗…あるし、流石に…」
正面切っての拒絶は、雪羽には出来ない。…出来ていたら、彼とこんな関係になる事もなかっただろうが。
結局、ハッキリと拒む事が出来ないから月代に押し切られるのだ。
腕を引かれ、抱き寄せられる。…馴染む体温に、雪羽の途切れ途切れな言い訳も止む。
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