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6.テスト


2年に上がって最初の定期考査。その答案返却日。

僕は世界史の思わぬ高得点に驚いていた。

98点。

学年最高。

はっきり言って僕は勉強が得意ではない。

だからどの教科も50点いけば良い方で、ここ3年ほどは70点以上を取ったことがなくて。

・・・なのに、98点。

我ながらすごい。

たぶん、春休みからこっちちょっとした暇に歴史の本や教科書を読んだりしたのが効いたのだろう。習うより慣れろっていうのはこのことかな・・・・・・


「今回はすごい頑張ったんじゃないか、館斐。」


先生の声が嬉しい。

テストのために頑張ったわけじゃないけど。

98点。

なんだか僕が先生を思う気持ちに点数をつけられたみたいな気分。

僕は先生が目の前にいるのに、いつもは笑うどこじゃないというのに、あまりにも嬉しくて顔が笑うのを止められなかった。

あーあ。先生にはもっとクールな僕を見せたいのに。

にこりと笑って僕の頭をくしゃくしゃと掻き回した先生の手の感触も、この時ばかりは僕に動揺ではなく喜びを齎した。





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