41.朧
雪は積もらなかったが、それから暫く寒い日が続いた。
「学校、明日からだったよね。」
夕食で母さんにそう聞かれて初めて、冬休みの終わりを知った。
結局、家の外に出ないまま過してしまったようだ。
夕食後、学校に行く準備をしてすぐにベッドに横になった。
まだ早い時間だけれど、余計なことを考えずに明日を迎えたかったからだ。
電気を消して横になる。
カーテンを開けっ放しにしているので、窓から外の灯りが差し込んでぼんやりと室内を照らしている。
眠りはすぐには訪れないが、それにももう慣れた。
なにはともあれ、明日からまた学校に通わなくてはならない――外に出なくては。
休み中ずっと休んでいたから、疲労感はもうない。
やはり休息が必要だったのだろう、外に出たくないという気持ちはなくなっていたし、自分がおかしくなったのではないかという不安感も消えていた。
感情があるべき場所に収まって、ぴったりと蓋をされているように心が凪いでいる。
きっと大丈夫だ。
きっと。
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