気まぐれ小話①
ガチャ
「ねえ孝博、この前辞書持っていかなかった？ って、それは！！」
「ちょ、いきなり人の部屋に入ってくんなよ。お前、人には他人に見せていい時ばかりじゃないんだぜ」
「とかいいながら今さりげなく隠したの何！？ それ捨てたんじゃなかったの！？」
「捨てるわけないじゃん。こんなおいしいもの。これはなー、お前に恋人ができたときになー、やっとその真価を発揮するモノなのなー。だから、それまでだーいじにとっておくのさー」
「その満面の笑み･･･！！ お前それは捨てる約束だっただろ！！ はやく捨てなさい！！」
「だめだめ。これはだめー。約束って何のこと？」
「おじさんと風呂に入ればそれを捨てるって言ったじゃん！！ おじさんと孝博の間で何の取引があったんだか知らないけど、いわれた通りに僕は耐えたのに・・・！！」
「そうだっけ？」
「捨てろー！！」
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以前拍手の御礼としてあげてた小話。
紀と孝博の日常のほんのひとコマ。
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