short (ss)
いつのまにか… (リクエスト)
あや様よりリクエストを頂きました(●^o^●)
年の差パロで、急に男らしくなったサスケにサクラがドキッとする話…ということで、
サクラ高2 サスケ中3の設定です!!
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「サクラ、久しぶりだな…」
その声に顔を上げると、目の前にはハっとするほどの美少年。
……ダレ、このイケメン?
この心中が顔にそのまま書かれていて、ぼけっとしていたのだろう。
「……相変わらずぼーっとしてんな、おまえ」
「……へ…」
そういって、黒髪の少年は上から目線でフンと鼻で笑った。
この生意気な口調。
そしてこのデカイ態度。
まさか。
「……さ、サスケ…くん?」
「……このウスラトンカチが」
近所にはあまり同じくらいの年の子供がいなかった。
唯一、わたしと2つ年下のサスケくんがそれに当たる。
小学校の時は集団登校やなんかで一緒に手を繋いだりしたけど。
私が中学に上がってからは、あまり見かけることもなくなった。
部活に忙しく、早朝に家を出て夜遅くに帰ってくる。
受験生になればそれはなおさらで。
同じ学校とはいえ1年生である彼のことなんて全く消息不明だった。
ごくごくたまに見かける事があっても、とても声なんて掛けられない。
私より背の小さかった、やんちゃでかわいい、そしてちょっと生意気なサスケくんは。
随分背が伸びて、同じくらいになっていた。
それが、2年前の中学3年のとき。
彼は、中学1年だった。
そして、現在。
電車で5駅先の高校に通う私と、地元の中学生が会う機会があるはずもなく。
「ひ、久しぶりだね…。これから出掛けるの?」
ここは私の家の近く。
近所のコンビニへ雑誌を買いに行こうとしたところ、偶然会ったのだ。
サスケくんは、肩からバックを下げていた。
ずっしりと重そうなそれは、参考書やノートか。
「まぁな……これでも、受験生だ」
私の視線に気付いた彼が、肩の荷物を見やった。
そうだった、彼は中3。
どおりで、こんなに成長していたわけだ。
私は、まるで近所のおばちゃんのような事を考えていた。
「おまえの高校、受けるから」
不意に、ドキっとした。
記憶の中のものよりも遥かに低い声。
そして、何だって?
「……え」
「ここらじゃ一応、一番の進学高だろ。兄貴も行ったとこだとか、親がうるせぇし」
あ、そういうこと…。
苦笑いを浮かべた。
何故か、がっかりした自分に違和感を覚える。
「おまえ、小さくなったな」
突然、手が伸びてきて、頭を撫でるように触れた。
途端に心臓が跳ね上がる。
「………さ、サスケくんが、背が伸びたんだよ」
精一杯平静を装って、返してみるけど。
どうしよう……。
もともとかわいい顔立ちだったけど、まさかここまで人目を惹く容姿端麗になっていたとは…。
どういう脳内回路か、昨日告白してくれた同級生の男の子の顔が浮かんだ。
『ちょっと、考えさせて…』
とは言ったけど、何で。
今は関係ないはずでしょ…!!?
思わず俯く。
何故か、彼の顔を正視していられなくなる。
その時、彼の携帯が鳴り、取り出して耳に当てる。
そのひとつひとつの動作が、綺麗だと感じた。
「…ああ、わかった。直ぐ行くから」
穏やかな声でそう返して、すぐに切る。
そして再び、私に向き合った。
「じゃ、『勉強』するから」
「うん…、……がんばって!」
月並みな励ましの言葉しか出てこない。
もっと、色々話したい、知りたいのに。
何か、なにかないか。
彼を繋ぎとめる、何か。
「………彼女?」
向こうへ踵を返しかけた彼の動きが、止まる。
「……は?」
何言ってんだろ、私、関係ないのに…っ。
「あ、あははっ!だって、何となく。サスケくん、その、すっかり…」
「……なんだよ」
「……すっかり……カッコよくなったからさ…」
「………そっちは?これからデートってとこか」
私が勇気を振り絞って出した褒め言葉には、興味なさそうに反応せず。
言われ慣れているのかな。
カッコイイとか、素敵とか。
今の彼の環境を知らなくて、ついていけずに。
私は、何かに嫉妬した。
「……そうだよ。最近つき合い始めたひと」
「へぇ…、サクラに彼氏ねぇ」
サスケくんはそう言いながら、全く興味なさそうなのが見てとれる。
ちょっと、いやかなり。
悔しくなった。
「……なによ、いちゃ悪い?すっごく素敵なひとなんだから…っ」
「別に」
どうでもいい。
そう言いたいんでしょ。
私も、なんでこんなにムキになって嘘を並べるのか、分からない。
ちょっとだけでも、振り向いて欲しい。
気にかけて欲しい…。
自分のあさましさに、呆れた。
「楽しそうで、何より」
サスケくんはそう言い残すと、じゃあ、と手を振って歩き出した。
なぜか、悲しくなった。
この短時間の間に、一瞬で恋に落ちて、そしてフラレタということか。
自分がこんなに惚れっぽかったなんて。
俯くと、視界には地面だけが入った。
何年か振りに逢えたのに。
すごく、ドキドキしたのに。
これで、おしまいなのだ。
バカだ。
私は、ため息をついた。
ふと、視界が暗くなる。
地面に影が出来る。
「野郎だらけで、バカばっかりだからな」
その低くなった、聴きなれない声に。
けれど、胸に響いて心を揺さぶられるような声に。
顔を上げた。
「オレだけじゃ、手に負えねぇんだ」
目の前では、まだ見慣れない彼の、凛々しい顔が覗き込んでいた。
「手分けして、面倒見てくれねぇか?」
「………え…?」
どういうことだろう。
だって、わたし。
さっき、下らないウソ、ついたのに…。
「……サクラ、うそつくの下手だって知ってる。…昔から」
「………っ!!」
途端に、かぁっと赤面した。
見透かされていた。
「来いよ、ヒマだろ」
返事をする前に、手をぐいっと引かれる。
思ったよりも、ずっと大きな逞しい手だった。
「……サスケくん…っ」
彼を見上げる。
肩越しに振り返る、彼。
私よりも、高いところで視線がぶつかった。
「……マジで用事あったのか?」
彼が少しも悪びれずに言った。
即座に首を振って否定する。
「なにも…っ!…ごめんっ」
「…何で謝るんだよ」
彼はゆっくりと歩き出した。
不思議な事に、手は繋がれたままだった。
「ごめん…、行くよ」
「そりゃ、ありがたいな」
彼は空を仰いだ。
私は、歩調が違うことに気付く。
彼のほうが、一歩が大きかった。
「サスケくん、大きくなったね…」
「…てめぇ、バカにすんなよ…」
「違うよ、してなんかないよ」
軽く睨む流し目も綺麗で、照れ隠しにクスクスと笑った。
私は、なんてもったいない数年間を過ごしていたんだろう。
身近に、こんなに素敵な男の子がいただなんて。
2歳の差は、大きいけれど。
きみは、思った以上に成長していたんだね。
「……待ってるね」
サスケくんはそれには応えず。
少しだけ視線を向けると、ふっと笑った。
fin.
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2012.9.2
あや様、どうもありがとうございました(^_-)-☆
大変遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
こんな感じでよろしいでしょうか??
気に入って下されば、どうぞお持ち帰り下さいませ^^
※あや様のみ、お持ち帰り可です。
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