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キャンディ#2
▼頭の中
何で、こんな役回りばっかり。
俺の勘は、すごーく当たるんだ。



「あの、ね。好きな人・・・が、ね」



ほら。
その人の事を知りたいんだろう。
それは、人を好きになれば当たり前の感情だけど。

何で、俺のところに来るわけ?
それって普通、女の子同士で話して「じゃ、協力してあげるね」とか「がんばれー」とか、そういうんじゃないの?
それが、ガールズトークってもんじゃないの?

萌ちゃんの思考回路は飛躍し過ぎなんだ。



「で、どこの誰なの?」

「カンサツしてくれるの?」

「いや、そういうわけじゃないけど・・・」



萌ちゃんは、俯いてしまった。
何か、イチイチ・・・可愛い。

俺は、副長や旦那みたいに甘くないぞ。
いくら、萌ちゃんが可愛くても、ドキっとさせられても揺るがないんだから。

俺は、あの二人みたいに振り回されたくない!!



「あー・・・、ほら、まずは自分で・・・さ。恋って、そういうものでしょ?」

「でも私、土方さんしか好きになったことないから・・・良く分からないの」



こんなことを副長が聞いたら、今よりも萌ちゃんに甘くなるのかな。
黙っとこ。



「そっか。でも、副長の時みたいにお弁当攻撃は止めといた方がいいと思うよ?」

「どうして?」

「え・・・と、それは・・・あー、あれだ。お付き合いしてからのお楽しみにしておいた方がいいんじゃない?」

「そういうもの?」

「そういうもの、だよ!」



普通、いきなり弁当持って来られたら引くよな。
真選組は、普通じゃないから引かないけど。







結局。
どうしても、どんな相手なのか見て欲しいという萌ちゃんに負けてしまった。

おいおい、どんどん巻き込まれているじゃないか。



「あの人」

「どれどれ・・・」



!!!
ちゃ、チャラい!!!



「え?あの人、だよね?」

「そうですよ。ステキでしょ?」



そう言って、萌ちゃんは頬を染めた。

確かに、萌ちゃんに連れて来られたのは壱零Q(イチマルキュウ)だけど・・・
それっぽ過ぎるよ。
しぶや系過ぎるよ!!

副長とは、似ても似つかない。
この子の中に、好きな男性のタイプってものは存在しないことが分かった。



「ふ、副長とは随分違うタイプだね」

「そうかなァ?私は、元々ああいう人が好きですよ。でも、土方さんの方がステキ度は上かも」



えェェェェェェ?
彼と副長じゃ、全っ然ジャンルが違うだろ?!
土俵が違う!!
次元が違う!!
住む星が違う!!


つーか、副長の方が上なんだ。
じゃあ、この彼は何なんだろう?


副長は、萌ちゃんの目に一体どう映ってんだろう?

その、恋するキラキラした瞳は何を映しているんだろう。
頭の中を、一度かち割って見てみたい。

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あきゅろす。
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