キャンディ ▼うたかた やばーい!!! どーしよー お泊まりだって、お泊まりだって。 緊張で、 「萌、」 死ぬ、かも。 「心配すんな、ヘンな事ァしねェよ」 土方さんの真っ直ぐな瞳は、私を捕らえて身動きが出来なくなる。 「言っただろ?お前を大事にしたいんだ・・・って」 煙草の匂いが、ふわりと私を包み込む。 「寒くないか?」 「大、丈夫・・・です」 「そうか。じゃァ、また明日な」 「おやすみ、な、さい」 緊張しすぎて、言葉がたどたどしい。 だって、だって、 土方さんに、抱かれたままなんだもーん。 死ぬー、死ぬー、死ぬー、死ぬー、 ▽ 「あ?!」 っ!!!!! な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、なんで萌が?! 目が覚めると、隣で萌が寝息をたてていた。 なーんーでー?! 落ち着け、十四郎。 よーーーーーーっく考えろ。 そして、思い出せ。 ダメだ。 ぜんっっぜん、思い出せねェ。 「すー・・・すー・・・」 ・・・っっ!! ったく、ノンキな顔して寝やがって。 萌の頬を突っついてやった。 「萌、起きろ」 「う・・・ん・・・」 「萌、」 「うにゅ・・・」 萌は、目を擦りながら起き上がった。 「プッ・・・うにゅって、何だよ。まァ、いいや」 「土方さん?」 「なんだ」と返事をすると、萌は黙ってしまった。 「お前、何で俺の部屋で寝てんだよ」 「・・・」 「忍び込んだのか?しょうがねェな。送ってやるから仕度しろ」 ▽ あーあ。 もう切れちゃったんだ、媚薬の効果。 「萌?早く仕度しちゃえよ」 「っく・・・っ」 「萌?どうした?」 泣いちゃ、ダメなのに。 初めから分かっていたのに。 土方さん、土方さん、 「萌、」 土方さんは、私に駆け寄ってくれた。 優しい、土方さん。 大好きです。 [*前へ][次へ#] [戻る] |