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日ログ
大内義長(ボツネタ

陶が討たれてから、毛利を迎え討つために高嶺城を普請した。
その間にも、周防内部の紛争に苦心し、なんとか大内を立て直そうとしたのだ。
大内の当主として慕って付いてくる者は残り少なくなってしまったが、それでも。
家臣らのために応えてやらなくてはならないし、ここで毛利を止めなければ、安芸の知謀者は兄のいる豊後にも牙を立てるであろう。

だが、遅かった。
予想以上に陶の作った大内は嫌われていて、毛利に寝返る者が多数現れた。大内の財は前当主が使い果たして蔵の中にある銀はとぼしい。以前のように明と貿易を開くため、兄の了承を得て海を渡って派遣した使者が持ち帰ってきたのは、悪い便りだった。
大内の衰亡の加速は止められなかった。
希望はたった一つ。
一つだけ残っていた。
豊後からの援軍だ。
きっと兄の義鎮が挙兵して、毛利を打ち払ってくれるだろう。

残った武将たちは次々と討ち取られ、未完のままの高嶺の城にも火の手があがり、残っていた重鎮の城である且山城へ落ち延びた。
且山は堅固な山城。兵糧も十分だったが…。
毛利は炎のような速さで進軍してきて、この城の主の内藤隆世の命と引き替えに義長を助命すると言ってきた。
これには義長は顔を赤くして反対した。

「ならぬ!お前の命と引き替えとは名ばかりだ。毛利は私を殺すつもりだ!お前が無駄死にするくらいならば、戦ってここで共に果てようぞ!」

だが、隆世は首を横に振るばかり。

「なりませぬ、なりませぬ。殿、隆世は如何様なことがあっても殿に忠義を近いここまで生きて参りました。殿の討ち死にするお姿など見とうござりませぬ。それに…私の伯父上は毛利の嫡男です。そちらに働きかけ、殿の助命を確固たるものにしてみせましょうぞ。そのためならばこの隆世、喜んで腹を切りまする。」





…以上!(え 死
「モブ短編」の「手にした空虚」のボツネタです。
ボツ理由:なんだか普通のどこかの本の説明文を、そのままストーリー仕立てにしただけだから。



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あきゅろす。
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