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日ログ
盛親&弥次兵衛
「弥次…」
「御曹子…」


堤防の上で徳川軍を待ち伏せていた盛親は、つい顔を上げた。
徳川の藤堂高虎の軍勢の中に、よく見知った顔がひとつ。


また出会ってしまったとは、運命とは皮肉なものだな。
弥次兵衛はクッと笑った。
御曹子、そんな顔をするな。
御曹子、俺は長曾我部の土佐を取り戻すために藤堂の家臣として死のう。


「弥「御曹子…否、盛親殿!桑名弥次兵衛一孝の首、取ってみせよ!」


御曹子、もうアンタの言葉は聞きたくないんだ。
長柄を振るった。
元親を、盛親を守ったこの長柄を、まさか倒すために振るおうとは思っていただろうか。


「おお、あれは桑名弥次兵衛!主替えの藤堂に主を替えたか!」
「長曾我部のご恩を忘れおって〜、その首、取ってくれるわ!」


一騎駆けしてきた弥次兵衛は、長曾我部の家臣等に馬の足を取られ落馬する。
長柄を大きく振り回すも、近藤の槍で胸を突かれた。

これでいい。
これでいいんだ。
どうか、土佐を取り戻してくれ。


「弥次!!」


太刀を抜いて応戦した盛親は弥次兵衛の姿を探した。
だが、どこにもいない。
駆ける兵らの間にそれらしい脛当をつけた足が転がっているのが見えたが、飛び交う矢が視界を遮りうまく見えなくなった。すぐに自軍の陣形が崩れる。
徳川方に井伊直孝の軍勢が援軍に来たのだ。


「すぐに…」


言いかけた言葉を飲み込んだ。


「生き延びて、土佐を取り返す!」


盛親は軍に撤退の狼煙をあげさせた。





桑名弥次兵衛です。舞台は大阪夏の陣・八尾の戦い。
実際のところ盛親よりいくらか年上だったらしいとは聞きますが、生年不明。
捏造してしまうと、盛親と同じ学問所に通ってて同じ乳母子で幼なじみだといいな〜とか。あ、親和か親忠と同い年ぐらいがいいかなー。
体躯&容姿はまだ考えてないですけど、とりあえず盛親を「御曹子」と呼ぶ。信親のことも「御曹子」と呼ぶ。(あれ?)でも御曹子として箱入り的に扱うかっていうとまた違っていて、小十郎から堅さを抜いたような感じかなあ?盛たんは「弥次」と呼んでます。
弥次たんは、盛親と隆景の殴り合いの喧嘩を眺めてて、いつの間にか乃美さんとお茶飲み友達になってるといい。
そして「戦雲〜」の小説であるみたいに、昔は盛親と相撲して連勝してたのに、突然盛親に負けて嬉し泣きしちゃう。そんなピュアな弥次兵衛。

あ、あと藤堂さんは決して長宗我部の敵ではないです。
むしろ長宗我部の家臣を召抱えたり、土佐をかっていた人なのです。


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あきゅろす。
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