いんなもらためんて
C(続・把里亜組にて)
ルッスーリアのいれてくれるお茶は美味しい。大福にも合い最高だ……ではなく。
「で?沢田の城が何?」
まったりとお茶を楽しみながら、マーモンが再度たずねる。金に関わる話とツナに関わる話以外では、殆ど興味を示さないマーモンにしては珍しい。
「…ボスがいないとこで話していいのか?」
「う〜ん、どうなのかしら?」
「何でオレを見る」
レヴィとルッスーリアの視線を受けて、スクアーロが嫌そうな顔をする。
ザンザスを崇拝しているレヴィにとってみれば悔しいが、スクアーロは実質ボスに継ぐナンバー2の立場。ボス不在時の決定権は彼にある。それに何か言ってそれがボスの意に沿わなかったら、ボコボコにされる。スクアーロに任せておけば、万一そうなったとしてもスクアーロがボコられるだけなのだから。
「ボクだって一応、把里亜組の一員なんだよ?知る権利はあると思うけど?」
マーモンの主張にスクアーロは溜め息をつく。マーモンも意外と頑固なのだ。言いだしたら聞くまでは諦めないだろう。
「チッ…仕方ねえ」
スクアーロは雲雀から聞いた話をマーモンに教える。
沢田一族の力を狙う奴等がいるという噂があること。
直接沢田一族と面識があるわけではない。しかしナミモリに住んでいるからには、把里亜も雲雀も縄張りを荒らされるのは気にくわない。だから不振な輩がいないか目を光らせることになったのだ。
「つー訳だぁ。お前も何か情報入ったら教えろぉ」
「…ふーん…分かったよ」
「そういやあ、お前…オレ達より前からナミモリに住んでたよなぁ?沢田について何か知らねえかぁ?」
「…残念だけど知らない。沢田の城と一族は、ボクが来た時から謎だったからね」
マーモンはそう言った。そうだろうなぁ…とぼやくスクアーロを眺めながらお茶を啜る。しかし内心では少し焦っていた。
沢田を狙う奴等が本当にいるなら…ちょっと拙いかもしれない。どうする?簡単には秘密はバレないと思うけど…。
帰ったら対策を練るべきか。マーモンは少し悩んだ。
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