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□Xmasもある意味家庭サービス(45000リク)



「…あれは何だ?」



いつの間にか夫婦の寝室の片隅にひっそりと置かれていた箱を指差しザンザスが綱吉に問いかけた。



「あれはザンザスの衣装だよ」

「衣装?」

「そう。クリスマスの」



にこにこと言う綱吉の言葉に眉を寄せながらザンザスが箱を開けてみる。中には世間一般的なお決まりの真っ赤なサンタ衣装があった。ご丁寧に髭まである。



「クリスマス、サンタさんとして子供達にプレゼントあげてもらおうと思って」

「…オレがか?」

「当たり前でしょ。子供達に夢を与えるのも父親の役目だからね」



胸を張って言う綱吉に、ザンザスは更に眉を顰める。マフィアにファンシーな夢もへったくれもあるかと内心ザンザスは思ったが、思うだけに留めておいた。



「チビ共が寝てる間にプレゼントを置くんだろ?だったらオレじゃなくてもいいんじゃねえか?カス鮫とかでも…」

「もし子供が目を覚まして、たまたまサンタ目撃して、長い銀髪だったら正体バレるでしょ」



それはそうかもしれないが。



「納得いかねぇ…」



しかし可愛くて最強の愛妻である綱吉に、ザンザスは逆らえないのだ。渋々サンタになることにした。
プレゼントもリサーチしてちゃんと買ってねと言われ、ザンザスは子供達にサンタにプレゼントして欲しいものを聞いていく。エレオットはモデルガン、ルイアーノはライオンのぬいぐるみ、ヴィオフォルトは玩具の刀、リアナはテディベアが欲しいらしい。ザンザスが子供達にプレゼントを聞く姿を嬉しそうに見ていた綱吉だったが。銃や刀は本物でなくていいのか?と聞き返すザンザスを、思わず後ろからど突いた。



「サンタさんに本物頼む馬鹿はいないでしょ」

「だったら、サンタには玩具を頼んでおいて、オレが本物をプレゼントしてやる」

「いくらうちがマフィアだからって、まだ本物持たすのは早すぎだからダメ!」



ザンザスは何となく不服そうだ。



「なら…パパからは何が欲しい?土地か?宝石か?玩具の店一軒でも何でも買ってやるぞ」

「子供のうちから高価すぎるものとか、常識範囲外のものを与えないでよ」



これだから金持ちは…と溜め息をつく綱吉だった。



とにもかくにも、家族で楽しくクリスマスを過ごし、ザンザスと綱吉からお菓子や洋服のプレゼントを貰った子供達が眠りにつくと。ザンザスは言われた通り律儀にもサンタ衣装で子供達の枕元にプレゼントを置いた。そしてそれを微笑ましく見守る綱吉なのだった。



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ザンザス奮闘記というより夫婦漫才みたいですいません。子供達喋ってないし…。

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あきゅろす。
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