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□乳牛ツナ子物語



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牧場主ザンザスと乳牛ツナ子の禁断の恋物語?
乳牛ツナは人型で。







とある所にあるヴァリアー牧場。

ここに飼われているのはボンゴレ牛というブランドの乳牛。

ボンゴレ牛から採れる牛乳の品質は最高で、中でもここヴァリアー牧場で育てられた乳牛からの牛乳や、それで作った乳製品は最高級と言われている。





そんなヴァリアー牧場で育てられている乳牛の中に、ツナという他のものより少し成長の遅れた乳牛がいた。
他の仲間達と比べ体も小さく、胸も小さくて乳を沢山出すことも出来ない。

ツナにはそれがコンプレックスだった。



「…オレの胸…なんで大きくならないのかな…」



自分のまだ小さな胸に、そっと手を添えてツナは呟く。

ご飯だって人一倍食べるようにして、牧場で運動もするようにしてるのに、胸どころか体の生育自体が悪いような気がする。このままでは、パートナーとも出会えず、最悪この牧場に居られなくなるかもしれない。

じんわり浮かぶ涙を拭うツナの姿を、遠くからじっと牧場主のザンザスが見つめていた。





ある日の夜。



「ツナ。ちょっと俺の部屋に来い」



ツナはザンザスに声をかけられた。見た目とても怖いが、性格も怖いと周りからは言われている男だ。
ヴァリアー牧場には沢山の乳牛達と、働いている人達がいる為、ツナも直接主であるザンザスと接する機会など殆どない。だが、ザンザスは牧場にいる全ての乳牛達の事はよく把握している。
返事をする前に強引に腕を引っ張られ、ずるずるとザンザスの部屋に連れて行かれる。ツナは何を言われるのかとハラハラしながら、すすめられたふわふわのクッションに腰掛けた。

ザンザスは値踏みするように、ツナの姿を眺めた後、口を開いた。



「てめぇはいつまで経っても胸デカくなんねえな」



一番気にしていることを言われて、ツナの脳内にガーンなんて効果音が流れた。



「一応、乳は出てるみてぇだが量も少ねぇ」



売り物にはならないなとザンザスは言う。

容赦ない言葉にツナは泣きそうになる。

売り物として価値のない乳牛は牧場には置いてもらえないのが普通。何処かに売りに出されるならまだいい方で、最悪死を与えられることもあるのだ。



「あの…オレにパートナーをつけてもらえませんか?」



恐々とツナがそう言ってみる。
パートナーというのは、乳牛一体ごとにつく専用の乳搾り係。パートナーがつけば、もしかしたら自分も立派な乳牛になれるかもとツナは望みをかけたのだが。



「…てめぇにはパートナーはつけねぇ。売り物としての乳も出す必要はない」



それは事実上、この牧場にツナは必要でないと宣告されたようなものだ。
ツナの瞳に涙が浮かぶ。
ザンザスは泣きはじめたツナに近付いて、その小さな体をぎゅうと後ろから抱きしめた。ビクリとツナの体が揺れる。
ザンザスはツナの体に触れながら、耳元に唇を寄せる。



「てめぇは明日から俺の為だけに乳を出せばいい。乳搾りも俺がしてやる」

「え…?」

「商品としての、てめぇは必要ない。てめぇは一生、俺専属でいろ」





その後、ツナはザンザスの私室で暮らし、ザンザスの為だけに乳を出し続けたのでした。

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