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□お花見に行こう



季節は春。天気は良好。
絶好の花見日和。
そんなわけで半ば強引に誘い出したザンザスと共に、綱吉はお花見に来ていた。沢山の人で賑わう中、いい場所が取れたのはザンザスが凡そ一般人とはかけ離れたオーラと表情で周りを威嚇していたからだが、綱吉は今回それを見て見ぬふりをした。こんな時ザンザスが居ると有り難い。酔っ払いも絡んでこないし。
ザンザスは最初、花なんぞ見て何が楽しいんだ?と花見に乗り気ではなかったのだが、お酒と綱吉の手作り弁当持って行くから…という言葉に頷いた。満開の桜の木の下、お弁当を広げて仲良く寄り添うザンザスと綱吉の姿はある意味目立つ。酒を飲みながら綱吉の作ったそぼろ肉入りおにぎりを食べるザンザスに、綱吉がおかずを差し出す。



「はい、ザンザスさん。卵焼きです」

「ん…」



箸に摘まれ口元にもってこられた卵焼きを口を開け食べるザンザス。



「美味しい?」

「ああ。ちと甘いがな」

「じゃあこれは?牛肉のアスパラ巻きです」

「ん…」



差し出せば素直に口を開け、もぐもぐ咀嚼しているザンザスの姿に綱吉は何だか嬉しく、そんなザンザスが可愛いく見えて笑みを浮かべる。

大きなペットを餌付けしてるような気分にもなるけれど。

自分もお弁当を食べながら舞い散る桜を眺め、綱吉は幸せだなぁ〜と感じていた。




「…何だありゃあ…」

「きゃあ〜ラブラブね」

「ボスずりー。俺も綱吉に食べさせてもらいたーい」



少し離れた場所から、一応護衛という名目でこっそり二人を見守るヴァリアー幹部達。

お弁当を食べ終わったザンザスは桜の木に寄りかかり、足の間に座らせた綱吉の頬やら項やらにキスして体に触れている。
もう少し周りを気にしろと言いたいが言えない幹部達。



「どうでもいいけど風紀を乱すのだけは許さないよ」

「どっから湧いて出た?!」



ひょっこりといきなり後ろから現れた雲雀が、機嫌悪げにヴァリアー幹部達とザンザスを睨むが、二人の邪魔はとりあえずしないらしい。




「ザンザスさん、今度は夜桜も見に来ましょうね」

「ああ」



ザンザスと綱吉はそんな遠巻きに見守る連中に気付いているのかいないのか(ザンザスは気付いているだろうが)、桜の下でいちゃいちゃを繰り広げていた。





余談だが、二人の会話を聞いていた雲雀が、主に花見スポットでの風紀委員の夜の見回りを強化したということです。

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あきゅろす。
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