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コンシェルジュの憂鬱。



閉まったのを確認して頭を上げ、先程の藤堂様を思い出す。

少し疲れてらしたな…
だけど、そのせいか何だか色気があって…
しかもただいまって…!
ただいまって言ってくれた…!!
ああ、何か用を頼んでくだされば少しだけでも話しが出来たのに…


もちろん表情は変えない。
だから、私がこんな事考えているだなんて誰も思ってもみないだろう。


そう、私は12年前、あの方に出会った時からあの方を忘れられない――。



夜の20時。夜間の者と交代し、帰路に着く。

自宅は電車で一時間、最寄り駅から歩いて30分のボロアパートだ。


仕事が大変な分、お給料はなかなかに頂いているが、仕送りにかなりを使っているため、勤め先近くに住むには少し厳しいのだ。

家賃5万7千円。
都心近くにしてはかなり安い方だろう。ボロいが。

まあ自宅は寝にしか帰っていないし、特に問題はない。

帰宅する頃にはもう22時近く。
仕事は8時間交代制だから、明日は昼前に家を出ればいい。

シャワーを浴び、10分でチャーハンとサラダを作り勉強しながら食べる。

学ばなければならないことはまだまだ沢山あるのだ。

勉強を続け、午前0時を回る頃就寝。

詰まらなそうに思えても、私はこの生活に満足していた。





*





翌日。今日は上司とぶつかった。

上司といってもコネで入った、現場経験もなく気が小さいくせに態度だけは大きい、職権乱用パワハラセクハラ何でもするような上司だ。


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あきゅろす。
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