コンシェルジュの憂鬱。
20
朝――身体を起こせない程の倦怠感と痛みに襲われ、目を覚ました。
「…ん、…ぅ。」
一瞬何故、と思うが直ぐに思い出す。…そりゃあ5回も達すれば。あんなに大きいのを受け止めたら。
この痛みも当然だ。
周りを見渡すと、ここは寝室。ゲストルームでもなく、主寝室みたいだ…。
胸がほっこり温かくなりながら、頑張って身体を起こす。
動く度に痛むが、なんとか我慢し身嗜みを整える。
…といっても服がない…。
近くの椅子に掛けられたバスローブを借りていいだろうか…。すぐに返すので申し訳ないが貸して頂こう。
バスローブを着て部屋を出るが、リビングにも藤堂様は居ない。シャワーの音も聞こえない…。
このマンションの最上階は5LDK、他の部屋に居るのかもしれないが、物音はまったくしない。
…ああ、仕事に行かれたのか。って、今何時だ?急いで時計を見ると、午前7時。いつもなら家を出る時間だが、職場はここだ。大丈夫だろう。
かと言って長居するのも申し訳ないので、取り敢えず服を探すが、ない。
もしかして…と思って玄関へ行きドアを開けると、横にクリーニング済みの制服が掛かっていた。
まさかっ同僚の誰かにクリーニングを頼んだのか!?昨夜私が藤堂様の部屋に行っている事はもちろん同僚も知っている。
そんな私の制服が、びしょ濡れになっていて、おそらく精液とかも掛かっていた、なんて何が起きたかなんてバレバレだ!
もちろん藤堂様が私に気を使われる必要なんてないんだか…気まずい。絶対に。
その上身体がべたべたして気持ち悪い。シャワーを浴びたいが、藤堂様のバスルームを借りる訳にはいかないだろう。
…気まずいのを覚悟で、事務室にあるシャワーを使おう。
制服に着替え、一階に降りる。幸い誰とも会うことはなく、そのままシャワールームに飛び込んだ。
…痛い。さっきまでは根性で我慢できたが、少し気を抜いたらかなり痛くなってきた…立っているのも辛いかもしれない。
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