コンシェルジュの憂鬱。
14
「ふ、いや予定はキャンセルしちゃったよ。斉賀くんの笑顔に見入ってしまってね。」
「〜〜っ」
これ以上にない程、顔が赤くなった。藤堂様はそれを見てクスクス笑ったが、苛めすぎたと思ったのかあっさり引いてくれた。
「それじゃあ、俺はマンションに戻るよ。明日は出勤するんだろう?」
「…はい。シャツは新しい物を届けさせて頂きます。」
「クリーニングでいいよ。来週中ならいつでも。」
そう言うと、車に乗り込む。
「畏まりました。本当にありがとうございます。」
私の言葉にっこりと笑って、爆弾を落として帰っていった。
――「斉賀くんのは綺麗なピンクで可愛いね。」
子供達の所に戻ると、大分時間が経っていたからか、みんな川からは上がっていた。
どこに行ってたんだとかなり不満が上がったが、仕事関係だと言うと我慢してくれた。いい子達だ。
あのあと、顔の熱を冷まして行ったからさらに時間も経っていただろう。
…ピンクって!可愛いって!いやいや何が!?どこが!?考えるな!考えるな明人!!
取り敢えず、もう時間も遅いということで施設に帰宅する。
車の中でもみんなはしゃいで、施設に帰るとネジが切れたように眠ってしまった。
その後私は帰宅したが、今日の藤堂様やこれからどんな顔で会えばいいのか考えると、眠れない。
私が表情を崩した事で、興味を失ったりしただろうか?
私の態度で気持ちがバレたりしてないだろうか?
悶々と考えていたが、埒があかないと、仕方なくいつもしている勉強をして、朝まで過ごした。
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