コンシェルジュの憂鬱。
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それから少ししてやっとみんなも落ち着き、私は院長先生とテーブルでお茶を飲む。
「最近どう?仕事は順調?」
「ええ、遣り甲斐もありますし、お給料もいいですし。毎日満足していますよ。」
「ふふっ、それならいいのだけど…。本当、毎月助かっているわ。あの子達もお下がりの服しか着ることも無くなって、今じゃゲームがあるんですもの。あの子達は幸せね。」
「そう言って頂けると。ああ、そういえば、明日はあの子達なにか予定はありますか?」
「え?いいえ、ないけれど…」
「では、遊びにでも行ってきますよ。院長先生は、休日なんて久々でしょう?温泉でも浸かってゆっくり羽を伸ばしてください。」
用意していた数枚のチケットをわたす。マッサージが気持ちいいと話題の温泉のチケットだ。
「まあ…!明人くんったら…ありがとう。行かせてもらうわ」
満面の笑みで笑う。
よかった、最近腰が痛いと言っていたから調度いいだろう。
その日は子供達と一日中遊んで、夜は狭い中みんなで寝た。
次の日、朝から車で遠出していた。
施設の職員さん2人と、ワゴン車を2台借りて隣の県の自然やアソレチックで有名な公園へ。
「兄ちゃん鬼ー!」
「30秒数えてね!!ズルしちゃだめだよ!」
「きゃー!あき兄ちゃんこわーい!」
みんな一緒に遊んだり、分かれて遊んだり、昼休憩を挟んでもかなりの時間遊びまわった。
「兄ちゃーん!河がある!行っていい!?」
一人が気付くと、みんな行きたいのかこっちを期待した目でみる。
少し危ないかもしれないけど…
職員さんたちにも許可を取ると、OKが返ってきた。
まあ、かなり浅いし私達が見ていれば大丈夫だろう。
子供達は喜んで走っていく。
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