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コンシェルジュの憂鬱。
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だが逆にそれが良かったのだろう、私はなんと名前を覚えて頂いた上、たまにだが呼んで貰える。

しかも、しかも私の表情を面白いと、気に入って貰えた。幡野様と同じ様な理由で。

おそらく軽く馬鹿にされたのだろうが、彼はそんな事、結構に親しくなくては言わない。

しかも笑ってもらった。(笑われた)

住人の皆様には良くある事だが、自慢のワインをご一緒させていただく事も何度か。


そんな幸せな日々の中、久々の土曜日曜、二日連続の休日。

私は世話になった施設に足を伸ばした。

電車で4時間程。少し田舎の、駅からバスで15分。

私が施設を出てから外観も変わったが、温かさは変わらない。

「あき兄ちゃん!」

「あき兄ちゃんだーっ」

「あき兄仕事はっ?きょう泊まるの?」

「わたしっわたしあき兄ちゃんと一緒に寝たいー!」

「わたしもーっ!」

「あき兄は僕たちと寝るのーっ」


施設に入ると、外にいた10人近くが一斉に駆け寄ってきた。

「みんな元気にしてた?院長先生に心配かけてない?今日は久しぶりに泊まりに来たんだ。みんなで一緒に寝ようか?」


私の質問ひとつひとつに、みんな一緒に嬉しそうに頷く。

…可愛いなあ。


なごんでいると、外の様子に気付いたのか、残りの子達と院長先生が中から出てきた。

「あらあら、明人くん人気者ねえ。今日は泊まるのよね?とにかく中に入りなさいな。」


「兄ちゃーん!来てきて!新しいゲーム買ってもらったんだぜ!」

「そうなの!健斗くんがすっごく強いの!」

「あき兄ちゃん健斗やっつけてー!」


そのまま中に入り、流れでいきなりテレビの前に座らされる。

笑いながらコントローラーを取り、健斗と戦う。

初めてだったので最初は負けたが、2回目からは私の勝ち。
結局、健斗が勝つまで続けさせられた。
…手を抜くと分かるのか、すっごい怒るんだよね。

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あきゅろす。
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