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勢いよくカーテンを開くと、ぼんやりしていた室内を朝陽が満たした。外からは鳥のさえずりが聞こえてきたりなんかして、ああ、なんて平和な朝。
「アレンー?」
隣で眠る白い子の名前を呼んでそっと肩を揺らす。
しかし彼は未だに夢の中。返ってきたのは気持ちよさそうな寝息だけだった。

それにしても、なんて無防備に眠っているのだろう。何度名前を呼んでも、肩を叩いても、目覚める気配はない。
安心してくれているのか信頼されているのか、それともあまり意識されていないのか。嬉しいような悲しいような、複雑な気分で彼の寝顔を見つめる。
しっかりと閉じられた瞼を縁取る長い睫毛に白い肌。綺麗だ、人形のように。
でも、そろそろその瞳に俺を映してほしいよ。
「なあ、アレン」
特別な日なんだ。
一番に君にその一言を言ってほしくて。

「もう一回、呼んでも起きなかったら、」
小さく小さく、アレンの耳元で囁く。しかし、その続きは音にならずに消えた。
唇に残ったのは温かく柔らかい感触。
「おはようございます、誕生日、おめでとう」
こんなの、反則だ。
「ありがとう、愛してるさ」









グッドモーニング!









2011.8.10


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