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屋上にごろりと寝転び、何をするでもなくぼうっと空を見上げていた。現在の時間的には5限目の授業真っ最中だが、俺はあの人以外の授業を真面目に受ける気なんてさらさらない。

「…よぉ、サボりか?」
「……!?せ、んせい」
突然影が落ちて来て、逆光で顔は見えないが先程思い浮かべていた人が現れ、思わず言葉に詰まった。
「まあ、担任の俺に責任が降り懸からないように、せいぜい適当な言い訳考えとけよ」
俺の反応をどうとったのか、体を起こしかけた俺を制止するようにそんな事をのうのうと言ってのけやがった。全く、教師としてどうなんだその発言は。
…なんて、見逃してもらった俺が言える立場ではないのだけれど。

「先生こそ、こんな所に居ていいんですかィ」
視線で、入口にある『立入禁止』の文字を指す。これも勿論、俺が言えた事じゃないけど。
「先生はいいんだよ」
「なんでィ、それ」
返って来たのは答えになっているようななっていないような答え。聞き返しても、はぐらかすようにへらりとした笑みだけを返された。
本当に教師らしくない教師だ。…まあ、だからこそ好きになったのだけど。
ふと顔に日光が当たり、目を細める。視線をずらせば、白衣を纏った背中がゆっくり歩き、柵にもたれ掛かったのが見えた。
彼が少し頭を持ち上げた。その目に空を映しているのだろう。
俺は笑みを認めて目を閉じる。きっと空を見上げながら微笑っている事だろう彼の顔を想像しながら。










青と、白と、








第4期拍手御礼文
2009.9.19〜12.19


あきゅろす。
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