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「んー、うめぇ」
屋台の間を行き交う人々の間を縫って歩きながら、イチゴシロップがたっぷりかかったかき氷を片手に銀時は幸せそうに笑う。
「あ、わたあめ」
「マジで!?食う食う!」
銀時の隣を歩く沖田がわたあめを見付け指差せば、銀時はかき氷を抱えたままあっという間にわたあめを買いに走ってしまった。
沖田はその後ろをゆっくりと追う。心なしか優しい、しかし呆れの混じった笑みを浮かべて。
一方銀時は、早々とわたあめを買い終え満足気だ。
「旦那、わたあめ貸しなせぇ」
すっと手を差し出して言えば、銀時は警戒心を剥き出しにして一本後退った。
「…何だ?わたあめはやらねーぞ」
「違いまさぁ。それ持ってたら、かき氷が食えないでしょう?」
ああ、納得したようにわたあめを手渡した。
「ありがとう」
「どういたしまして」
銀時は再びかき氷を食べに取り掛かる。一口食べる度に満面の笑みを浮かべている。隣でそれを眺めていた沖田は、思わず苦笑いを零した。
「旦那、本当に甘い物好きですねぇ」
イチゴ味のかき氷を一心不乱に口に運びながら、力強く頷く。その姿を見て沖田は再び苦笑いを漏らした。

「っはー、美味かった」
あっという間にかき氷を平らげた銀時は、沖田が持っていたわたあめもすっかり食べ終え、それだけでは飽き足らず他にも目に付いた甘味類を片端から食べていった。
「糖尿じゃなかったんですかぃ?」
「いいんだよ、祭りの時にまでそんな事気にしてられっかよ」

ちゅ、

「甘ぇや」
唐突に重ねられた唇。
沖田はちろりと舌を覗かせ、唇を舐める。銀時は一瞬目を丸くしたが、直ぐにふっと笑った。そしてゆっくり瞳を閉じ、二人の距離が再び縮まる。
ちゅ
人目も気にせず、優しく唇を重ねる。
「沖田くんは甘いモン嫌い?」
「さぁねぇ。…でも、この甘さは嫌いじゃあねぇですぜ」










君とのキスは苺味













第三期拍手御礼文
2009.7.18〜9.19



あきゅろす。
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