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「わ、降ってきた」
「アレン、とりあえずあの木の下に入るさ」
任務帰りの急な雨。傘なんて持っていなかった俺達は、目の前にあった木の下に走り込んだ。
かなり激しい雨で、さっきの一瞬だけでも随分濡れてしまった。
「げーっ、ビショビショさ…」
首筋から伝わった雨が、服の中まで濡らしていて、服が肌に張り付いているのがわかる。
「気持ち悪いです…」
張り付いた服を摘んで引き離しながらアレンが言う。
「これ、もし白のカッターシャツとかだったら、透けてかなりえろいのに…」
アレンの団服を恨めしげに見ながら言うと、容赦なく頭を殴られた。
「い、痛いさ…」
「ラビが馬鹿な事言うからですよ」
そんなにいい笑顔で言われちゃあ、何も反論出来ないさ…。

暫く待ったが、雨は止む気配がない。それどころか、むしろ強くなってきていた。
「どうする?」
「走りますか?」
そうだな、もう濡れてしまってるしこれ以上濡れたって大して変わりはないだろう。
俺が頷くのを合図に、一気に駆け出した。地面を蹴る度に、水が跳ねる。

「…ていうか、伸で行った方が速かったですよね」
「…あ゛」
その事実に気付いたのは、雨が上がった後だった。










雨宿り













第二期拍手御礼文
2009.5.22〜7.18



あきゅろす。
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