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昼休み、普段ならば屋上へ行ったりもするのだが、外は生憎の雨。昨日今日のものではなく、所謂梅雨と言う季節によるものだ。
弁当を食べ終え、そのままカザの前の席を陣取った。カザは、窓の外ばかりを見ている。
理由は大体想像はつく。

「今日も、サッカー出来ませんね…」
見下ろしたグランドには無数の水溜まりがあり、引っ切り無しに波紋が出来ている。

呟いたカザの表情は本当に寂しそうで、何だかこちらまでつられて悲しくなりそうだ。
「あ、そうや!」
そんな気分を紛らわすかの様に、思い付いた事を口にした。
「てるてる坊主、作らへん?」
「てるてる坊主…ですか?」
首を傾げて聞き返すカザに、ニッコリ笑って頷いた。勿論ほんまに晴れるとは思ってないけど、気休めぐらいにはなるだろう。


「出来た!」
ティッシュで作った、簡単なてるてる坊主が二つ出来上がった。
嬉しそうに笑うカザ。良かった、笑ってくれて。
窓辺に、二つ並べて吊り下げると、ゆらゆらと揺れた後二つが寄り添うして止まった。
「晴れたらいいな」
「晴れますよ、きっと」
太陽のように眩しい笑顔。
今日は雲がはれるやろうと、何となく、しかし自信を持ってそう思った。










てるてる坊主













第二期拍手御礼文
2009.5.22〜7.18



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