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有り得ない。
え、だって、ええ!?
可笑しいだろこれナイナイナイ!
ウン、俺は至っていつも通りだ。さて、昨日読みかけだったジャンプの続きでも読むか。

なんて、現実逃避をしてみたものの、頭に手を伸ばせば確かに在るソレ。もう冷や汗ダッラダラだ。


「…猫耳?」
無視仕切れず口に出してしまった。
試しに鏡で見てみれば、俺の頭から確かに二つの猫耳が突き出ている。
「キャサリンのが移ったのか…?ってか、猫耳ってそもそも移るのか…?」
こんな時に限って新八も神楽も出掛けてしまっている。いや、新八はともかく神楽は居たら余計ややこしくなるだけか。

そんな時だった。
「すいやせーん。沖田ですけどー。」
玄関から聞こえる聞き慣れた声。
え、沖田君!?なんでこんな時に!

「いないんですかィ?ドア吹っ飛ばしますよー。」
「いるいるいるぅ!今開けるからァァアア!」
物騒な言葉が聞こえてきたので、思わず玄関に走り鍵を開けた。あいつなら本当にやりかねない。

「なんでィ、旦那。いるなら最初から開けてくだせ、ェ…」
ドアを開けると、沖田君は俺の頭を凝視しながら固まった。
「すいやせん、旦那…。」
突然謝った沖田君に首を傾げる。何か謝られるような事あったっけ。
「旦那がそんなプレイが好きだとは露知らず…。
今から早速ヤりますか?」
「何言っちゃってんのォォオオ!!違うから、これ銀さんの趣味とかじゃないから!!」
思わぬ発言に本気で焦る。なんでこう…沖田君の言う事は冗談に聞こえないのかなあ!
俺の言葉に、今度は沖田君が首を傾げる。
「なら何でそんな格好を?誰の趣味でさァ」
「違うから、誰の趣味でもないから。俺にもわかんねぇんだよ、朝起きたらこうなってた。」
ふぅん、と言いながらその黒い瞳は猫耳に向けられたまま。
…何やら嫌な予感がする。

「何にせよ、この状況でなにもしないってぇのは勿体なさすぎまさァ」
「え?沖田君?あの、ここ玄関なんですけど?」
どんどん近づいてくる整った顔に焦って言う。
「なら旦那の部屋に行きますかィ?」
「いやいや!そういう問題じゃなくて!何する気!?」
俺がそう言えば、彼は思わず見惚れてしまうような綺麗な笑みを浮かべた。
「何って、決まってまさァ。言わなくても分かるでしょう?
ほら、行きやしょう。」


覚悟を決めて差し出された手を取る。

とりあえず、神楽と新八が帰って来ない事を祈ろう。









ある晴れた日の出来事












第一期拍手御礼文
2009.3.1〜5.22



あきゅろす。
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