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独占欲
独占欲


また、君の手が誰かに触れる。
君は別の誰かを見ていて、その瞬間そこに僕の存在はなくて。

胸に、何か黒いものが込み上げてくるのがわかった。









シンドリアにきて、時たま小さな宴が開かれる。
食客の僕たちを楽しませようとおじさんたちが考えてくれているその宴が、僕もアリババくんも好きだった。
みんな笑っていて、料理は美味しくて、すごく、楽しい。

楽しいのだけど。

「おまえはさ〜、もうちょっとこう、メンタルをな…」
酔ったアリババくんの手が、白龍お兄さんの肩を掴む。
火照った指先は、いつも白くて長い指に色を添えていて、綺麗だ。
説教じみたそれを受けている白龍お兄さんは至極めんどくさそうだったが、僕は内心気が気でない。

だって、あんな。

酔っているせいで暑いのか、服ははだけて、いつもより無防備で。
白いうなじも、少し上気した頬も、潤んだ瞳も。
情事を思わせるそれに、僕は生唾をごくりとのみこんだ。
こんな姿、誰にも見せたくない。

本当は、僕だけが

「アリババさん」
すると急に白龍お兄さんがアリババくんを睨むと、焦ったように早く離れて下さい、と言い出して。
お兄さんも、アリババくんの無防備な姿が気になるのだろうかと思って、僕の目が座って行く。

「なんだよ白龍、おれのありがたいお言葉がきけねえのか?」
呂律すらも危ういその姿は本当に情欲をそそって、気付いていないアリババに少し腹が立つ。
一方で白龍お兄さんはアリババくんを引き剥がすと、このままじゃ俺が殺されます!といいそそくさとモルジアナ達の方へ向かっていった。
意味がわからないけど、まあこれで邪魔物が消えたわけで。

すぐにアリババの隣を陣取ると、いつもの笑顔で愛しい名前を呼ぶ。
「アリババくん」
「アラジン〜、白龍のやつ薄情だよなあ」
僕が隣にきてもまだ白龍お兄さんの話をするアリババくんに、僕はちょっとイラっとした。だから。
みんなにばれないように、アリババくんの頬に唇を掠めて。

ぱちくりと目を瞬かせるアリババくんに
「僕じゃ、だめ?」
と、最高の笑顔をのせて、囁いた。
アリババくんは、かああっと音がするんじゃないかってぐらいに一気に頬を赤くして、口をパクパクさせていて。
ねえ、と答えをせがむと、小さくうなり声を上げながら目を伏せて。

「……だめなわけ、ねーだろ」

渋々そう口にして真っ赤になる姿が本当に可愛くて、ぎゅっと抱きつく。


アリババくんは、僕だけのものだよ。








悠里さんリクエストの「アリババくんを独り占めしたくて堪らないアラジン」でした!

アラアリはこう、公開いちゃいちゃがすごくかわいいです……
リクエストありがとうございました!



あきゅろす。
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