『2nd』
3
不調の波を何度か乗り越えると、いつの間にか授業は終わっていた。
やはり今日は帰ろう。そう思っていたら、サークルの奴が声を掛けてきた。
「おー翼と広海じゃん!え、今日空いてるっしょ!飲み行くっしょ!?お持ち帰りっしょ〜!!」
こいつは飲みに行くことと女の事しか頭にないらしい。何とも享楽的な奴だ。
「俺はパスね。二日酔いだし。もう帰るから」
「まーじかー!広海は?」
「んー、行く!!って言いたいけど俺も帰るわ」
「んだよー!お前らが居ると女の子達の食いつきいいんだけどなぁ〜…仕方ねーか!じゃ、またなー!」
用事はそれだけなのか、と若干げんなりした。
嵐のような男だ。
「てか、翼もう帰るの?」
「あぁ、やっぱ具合悪いし」
「ふーん?じゃあ俺も帰る!」
「あっそ」
二人で家に帰り着くと広海は甲斐甲斐しく俺の世話をしてくれた。こういう所はマメで非常に助かるのだが。
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