『2nd』
2
広海が出て行ってから一時間が経った。一限は終わってもうすぐ二限といったところだろうか。
「うぅ…とりあえず、みず…」
飲み過ぎるとこうなるのは分かっているのに、つい飲み過ぎてしまうのは世のオッサン達も同じはず。
俺だけじゃない。
言い訳をしつつコップの水を飲み干すと、ほんの少しだけ気分がスッキリした。
それからのっそりと立ち上がると、次の授業に出るべく準備をはじめた。
遅刻をしても後ろからこっそり入れば大丈夫。いつもそうしてるし。
準備が整い、家を出ると大屋さんが行ってらっしゃいと声をかけてきたので、とりあえず会釈をした。
大学まで徒歩10分。
何となく気分が優れないことには蓋をして講堂にこっそりと入っていくと、広海の後ろ姿を発見した。
息を殺して広海の隣へ。
まぁ教授にはバレバレだろうけど、とりあえずね。
「気分どう?」
「まぁまぁ…かな」
「まだ顔白いけど」
「そう?」
「無理すんなよ」
「うん」
それから会話は途切れ、授業に集中する。
でも頭には入って来ない。全部右から左に流れてく。
やっぱり二日酔いって最悪。
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