君の側で
8
"先生たちがどんな関係だろうが俺には一切関係ありません。勝手にしてください"
先程言われた言葉に胸が張り裂けそうだ。
…――痛い。
正喜の言葉が表情が全てが刃となって裕也の体に突き刺さった。
自分が思った以上にダメージが大きかったようで、
授業中なのに涙が溢れてきた。
誰にも見られないよう、気付かれないよう、机に突っ伏して涙が流れて仕舞わないように必死に耐えた。
朝の一件から正喜が裕也と目を合わせなくなり、裕也を避けるようになった。
それは裕也を一層落ち込ませた。
やっとの事で手に入れた友人というポジションは、すぐ壊れてしまうほど呆気ない関係だったということだろうか。
いや、もはや友人ですらなかったのかもしれない。
もう悪い方にしか思考が回らなかった。
気分は最悪なのに、知ってか知らずか横山は人目を気にせず体を触ってきたり、やたらと接触をはかってきた。
嫌だ、くっつくな、とは思うのだが思うだけで体がついていかない。
抵抗するのも億劫だったのだ。
あからさまにベタベタとくっついている横山と裕也が目に映った。
表情に覇気はないが、裕也は抵抗もせずに受け入れている。
やはりそういう関係なのか、と正喜は顔を顰る。しかし何故こんなにも苛立ち、嫌悪するのだろうか――…
(いや、嫌悪だけではないのかもしれない…。)
そう思いかけたが、気付かない振りをして正喜は本に意識を戻した。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!