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君の側で
3
放課後、職員室を訪れてみると、横山は既に課題のプリントを用意して裕也を待ち構えていた。

その様子に背筋がゾワゾワとしながらも横山の机に近寄る。

「センセ…それが今日のプリント…?多くない?」

「そりゃ当たり前だ。俺の授業中に寝てたんだからな」

「酷い!横暴!!俺様!!ドS!!」

「あーあー、どれも褒め言葉として受け取って置く。さ、準備室行くぞ」

「あれ?今日は準備室に行くの?此処ではやらないの?」


「場所が空いてなくてな。準備室が借りれることになったんだ。これでみっちり勉強出来るな」

ニヤリと笑う横山の顔に更に背筋がゾワゾワとする感覚を覚えながらも、仕方ないと、準備室へ向かう。

「さ、入れ」

「は〜い…」

促されるままに入った準備室は、あまり使われていない部屋なのだが、それを感じさせないくらいには清潔に保たれていた。

「準備室なんか初めて入るよ〜。はぁ、俺なんか憂鬱になってきた…」

「つべこべ言わずに始めるぞ」

プリントで軽く頭を叩かれた。地味に痛い。(痛いくらいプリントが分厚いということだ)

ますます憂鬱になりながらも、問題を必死に解いていった。


大分時間が経っただろうか、課題をこなすのにも飽きはじめた頃、裕也は何気なく口を開いた。

「どうせなら委員長と密室で二人きりになりたかったなぁ…」

頭で考えてた事がうっかり口からでてしまったようだ。
しまった、と口を塞ぐが言ってしまった言葉は戻せない。

「わわわっ!!い、今のは違くて〜!!!」

「…やっぱりお前黒川が好きなのか?」

真剣な目でこちらを見てくる。

「や、やっぱりって…」

「お前は分かりやすい。まぁそれ以上に俺がお前の事を見ていたってのもあるかな。」

「…へ?」

意味が分からないといったように横山を見つめる裕也に、我慢の限界、といった風に裕也を椅子から立たせ抱き寄せた。

「ちょっセンセ!何してんの!?」

裕也が暴れれば暴れる程、横山はより一層力を込めて抱きしめた。

「黒川に少し嫉妬した」

「センセ、何言ってんの?離し…んんっ」


非難の言葉は横山からのキスによって封じられてしまい、更には舌を捩込まれ翻弄される始末。
呼吸ごと吸い取られてしまいそうな錯覚に陥り、頭がくらくらする。

「んっ…ふ…ぅ」

胸板を叩いてみるが、力が入らないためにびくともしない。

口内をじっくり堪能した横山は名残惜げに唇を離すと、いつもとは違う欲を含んだ目で裕也を見つめた。


何を言うでもなく裕也をその腕から解放すると、「これからはガンガンアプローチするから覚悟しとけよ」と一言残し、準備室から去って行った。

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あきゅろす。
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