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いっぱち物語(仮)







「金本先生…」

千熊の低い声が、ホスト然とした男の肩を揺らす。

「自分の言動考えましょうや。教師として、アンタがあいつに対する態度は正解ですかね」

物腰は柔らかく感じるが、男を見下ろす目は、今にも喉笛を食い千切りそうなほど鋭い。

「御自分の評価を下げるのは結構だが、あいつをあんま虐めんでくださいよ。まだ教師を辞めたく無ぇんで」

これは明確たる脅しだ。これ以上イッパチに何かするつもりなら黙ってない、と。

「…、何で…」

「……『可愛い』生徒ですからね。それ以外に理由が必要ですか?」

ここまで言われて悟らないわけがない。

端から見れば険悪な空気はともかく、教師同士の会話だ。一人の生徒に教師らしからぬ態度を取る事を注意する同僚。だが、千熊の心中は穏やかじゃない。最愛の人間に噛み付くような奴を前に、上っ面だけ取り繕うので限界だ。コイツに愛想なんて必要無い。

「仕事、責任持って、ね。してくださいよ。頼みますから」

一言一言、染み込ませるように。

「それじゃあ、金本先生」

そう言って離れる千熊を茫然と見送るしかなかった。






「…………………金本じゃなくて金森なんだけど…」

風紀委員長の勘違いはどこまでも浸透した。






クラスがわかんねくて一年の教室一つ一つ見てこーとしたら、居たわ、2組に。マジちょーラッキーボーイじゃねオレ?見っけられんの早かったわ。それに予想もビンゴだよ。勢揃い。ちゅーかこのクラスだけ密度高くて熱苦しーやらむさ苦しーやら。今じゃ珍しい光景でもねーだろーに、勢揃いってだけで今だ陶然とする生徒の多いこと多いこと。

ガチきめぇ。

とか引き攣ってる場合じゃねーぜオレ。取り巻きに陶然とし、もじゃに憤然とする生徒、それにその中心に居るGホイホイと罠に掛かったG共の注目を得るため、スライド式の扉をノックする。

――ココンコンココン

――ココンコンココン

すると我関せずな、この学園の風習に疑問を持つよーな一部の生徒から声が上がった。

「……ターミネーター…」

ちなみに2が大好きです。

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あきゅろす。
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