いっぱち物語(仮)
7
「おまっ――おまっっっおまっ、ぇッ――おま―――」
とことんツボったらしく、「おま」以外の情報が入ってこない。ヒーヒー言いながら、やっとで聞き取れた言葉は「お前顔赤い」だった。
毒にも薬にもならんとゆー神秘!
「さっすが純情くん。キス一つでここまで赤くなるたぁ、恐れ入るねぇ」
「…うっせ、ニヤニヤすんな」
「でも意外だな。お前なら、初めては好きな人とがよかった。とか言うかと思ったけどねぇ。」
「だって初めてじゃないし」
「じゃねーの?」
そんな驚かんでも。
「じゃあ何で赤くなんの?」
「クマさんの目がエロエロしいからじゃねーですかー」
「褒めんなよ」
「喜ぶなよ」
やだもーこのポジティブ!
「つっても初ちゅーは中坊んときよー。罰ゲームでぶちゃいく代表の木ノ下くんと」
「くん?」
「くん。」
こくりと頷く。憐れみのこもった目で見られた。
だからこそ初めてが誰でも、最終的に好きな子とできればいんじゃね?とゆー悟りを開けた。
虚しきかな。
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