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いっぱち物語(仮)

「つーか、話聞く限り転入生ってあれだな。うぜぇ。よく一人で学校来れたな」

そう。僕はなるべく奴に関わりたくなくて、今朝は奴が起きて来る前に登校した。顔を合わせればきっと無理矢理一緒に登校しようとするだろうから。誰だって疫病神の傍に居たいとは思わないだろう?

案の定、奴は次の災厄を連れて来た。

「お、僕、本宮 星輝!…です!よろしくな!あ、です!あ!でも、人を外見で判断するようなヤツとはよろしくするつもりねぇから!」

………………本気でわざとじゃないのか?

担任のホストみたいな教師に連れられて来た奴は、教室に着いて早々周りから好意的でない言葉を浴びせられていた。それに対し奴が反論しようとすると、入口付近の生徒の短い悲鳴と、吹っ飛ぶ机。そこにはクラス内で一匹狼とか言われてる不良がいた。

一匹狼とか、もはや死語だと思ってた。

「テメェ等、星輝に舐めた口聞いてっと殺すぞ」

どうやら机を蹴り上げたらしい。もうあの机使い物にならないだろうな。脚曲がってるし。

「チッ、ムカつくが同感だな。星輝は俺のお気に入りだ。手ぇ出す奴は犯すぜ」

ホストのその言葉にナヨナヨしい奴等が色めき立つ。

気持ち悪い。

こいつ等馬鹿なんじゃないだろうか?

特に担任。見た目だって、普通これで教師なんて無理だ。明るめの茶髪。ブランド物の白スーツ。日によってまちまちだけど、今日は柄シャツを大きく開けて肌を露出してる。有名なシルバーアクセのブランドのチョーカー。細身の二連のウォレットチェーンに蛇皮の靴。そして今の発言。教職を舐めてるとしか思えない。

教師らしからぬ教師と不良。どうやら登校途中に気に入られたらしい。

………本当、早めに来て良かった。

なのに……

「あーーーーー!!一平!!お前来るなら声かけろよな!!俺捜したじゃん!!」

僕に指を突き付ける奴。僕を睨みつける不良とホスト。嫌悪感もあらわに奴を見てたそのままの目で僕に注目してくるクラスメイト。我関せずな友人。

最悪だ。

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