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 コイツが流す涙の意味は


「や…やめて…っ…」

「そんなこと言って俺がやめるとでも?銀時は相変わらず学習能力がないなぁ……」


俺は今…手を後ろで縛られて目隠しをされている。
要するに拘束されてる状態。


今から何をされるか、なんて考えなくても分かる。

よく…されてるから。


「金時とか銀八は間違ってる。
銀時が一番可愛く見えるのは、甘えてくる時でも顔を赤くしてる時でもない」

「…痛ッ…ぃ…」


髪をわし掴みにされてその手は乱暴に引っ張る。
そして、耳元で囁かれる言葉は…

「銀時は…
泣いてる時が一番可愛いんだよ」


いつもこの言葉が発せられると床に叩きつけられる。

俺は仰向けのまま抵抗も出来なくて、痛みを感じながらただ涙を流すだけ。


「……やっぱりね。
この顔が一番可愛い」


するりと目隠しを外されておそるおそる目を開くと、目の前にはニヤリと笑みを浮かべた坂兄の顔。

普段はこんな顔しないのに、こういう事する時は決まってこの顔。

俺を苛めて楽しんでるんだ。


「さか…にぃ……」

「くくっ、もっと苛めてあげるから安心してなさい」


そう言うと、服の上から体を撫でてくる。
……くすぐってぇ…


「…邪魔なものは剥ぎ取ってしまいましょうか」


坂兄はびりびりと破って俺の服を剥ぎ取る。丁寧に脱がすなんて時間がかかるし面倒だって言ってた気がする。

露になった体にどんな事をしてくるのかと思えば…どかっと腹の上に座ってきた。

「っ…ゲホッゲホッ…」

「さぁて…裁判を始めようか」


腹の上に座ったまま、片手で俺の首を締め始める坂兄。
そのせいで俺は息が出来ない。

やめて、とも言えずにただ坂兄を見つめるだけ。


苦しい…このままだと…死ぬ…


一生懸命に視線を送ってやめてと訴える。でも、坂兄はニヤニヤと笑ってるだけで手を放してくれない。

「…は…ッ…」

段々意識が朦朧としてきてもうダメだと思って目を閉じようとした瞬間、手を放してくれた。


「っ…げほっ…はぁっ…はぁ…」

「…クスクス…
お前は無罪と判決されたよ。
よかったね、銀時…」


今回は本当に死ぬと思った。
だから生きてた事がすごく嬉しくて、死ぬのが怖くて…涙が止まらなかった。


「あぁ…やっぱ堪んないその顔」


俺の顔を掴んできた坂兄は、うっとりとした表情で俺を見つめる。

「坂…兄……」

俺は、殺されないと分かると安心してそのまま意識を飛ばした。


「まだまだ…解放しないからな」

気を失う直前に、坂兄がそんな事を言ってたとも知らずに…。





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