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 ドッキドキの学園祭


こんにちは、坂田銀時です
今日は待ちに待った学園祭だ!!



なーんて、そんなテンションになれたらどんなに楽しめるんだろうか。

俺は早く終わってほしい気持ちでいっぱいだよちくしょー。
高校最後の学園祭が欝だなんて聞いたことないっつーの。


「ねぇねぇあの子、すっごい可愛くない?」

「本当可愛いっ。とても男の子だなんて思えないよね〜」



「…いらっしゃいませー…」


俺達のクラスの出し物は、どういうわけかコスプレをしてのキャバクラ。しかも男は女装で女は男装するという本当わけ分からない企画。

男は女装なわけだから、もちろん俺も女装しているわけで(しかもよりによってメイド服)今は店で接客中。あちこちから視線を感じて男女関係なく俺が可愛いだの指名しようだのヒソヒソ話してやがる。

もうマジで勘弁してくれ。


「銀時ー、今度はあっちのテーブルで接客よろしく」

「…休む時間くらいよこせっつーの」


俺を指名する奴は絶え間なく現れて、しかも何故か男が多い。
段々イライラしてきて次の客の相手したら抜け出してやろうと頭の中で色々考えてたら、


「おーいそこのメイド服着た銀髪君、早くこっち来て接客してちょーだいよ」


後ろの方から明らかに俺を呼ぶ声がして、睨み付けてやろうと振り返った。


「うっせーな今から行……って、何やってんの銀八」

「よっ、なんか儲かってるみてぇだな」


振り返ってみればヘラヘラと笑いながら煙草を吸っている銀八が偉そうに座ってた。
しかもその光景に少しドキッとしちゃった……じゃなくて、やばいぞ…銀八にこんな変な格好見られちゃった。


「なーに固まってんだよ、早くここ座れって」

「っ……」


隣に座るよう言われて躊躇してたんだけど…手招きする銀八に操られたようにフラフラと隣に座る俺。なんか緊張して全然笑えないし二人の間で沈黙が流れる。


「なーんだ、酒置いてねぇのか」

「あ、当たり前だろっ」

「んじゃ苺牛乳でいいわ」

「…い、苺牛乳オーダー入りましたぁ」


恥ずかしい、恥ずかしさでいっぱいで顔が熱い。いつもなら銀八の顔見れるのに、今は見れない…というか見たくないっつーか…


「…お前めちゃくちゃモテてんのな、男に」

「え…」

「さっきからずーっと俺に殺意に似た突き刺すような視線が絶えねぇし」

「…うわ…本当だ…」


銀八に言われて周りを見てみたらこっちを見てる男共がいっぱい居て、なんだか吐き気がする。

せっかく銀八とこんなに近いってのに、変な格好して恥ずかしいし男共からは気持ち悪い視線がくるし…散々な学園祭だ。


「………銀八、俺、帰る」

「まぁこんな視線送られてりゃ堪えらんねぇわな」


そう言うと、銀八は煙草の火を消して俺の肩に手を置いたかと思えばグイッと抱き寄せて顔をギリギリまで近づけてきた。


「っ!?ちょ、銀八っ…」

「しーっ。
こうしてりゃアイツらから見ればキスしてる様に見えんだろ」

「た、確かにそうかもしんないけど…」


すんません、銀八の顔が近過ぎて心臓が破裂しそうです。
しかも優しく微笑んでくるもんだから俺の顔はすでに真っ赤。


少しすると銀八が顔を離して男共を睨み付けてニヤリと笑みを浮かべた。その間も俺は抱き寄せられたままで顔も赤いまま。

男共はショックを受けたのかいつの間にか居なくなってて、銀八は何事もなかったかのように煙草を吸い始めちゃった。


「…あ、あの…ありがと、銀八」

「どういたしまして」



俺ね、銀八のそのさり気ない優しさがすっげー好き。今もほら、俺の頭撫でてくれてるし。

銀八は意識して優しくしてるわけじゃないってのは分かってる。
でも俺は、その優しさに触れてどんどん銀八の事が好きになっていくんだ。


俺が女だったら、今ここで銀八に気持ちを伝えられたのにな。

…現実って本当厳しいね。



END


―――――――――

えっと…こんな感じでよかったんですかね…というか、こんな感じになっちゃいました(汗)


と、とにかく…
飼唾様、リクエストありがとうございました!





あきゅろす。
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