こっそりと、想い続ける
なぁ…こんなに好きなのに、
どうして伝わらないんだ?
俺が、男だから…?
「土方くぅん」
「……」
「ちょっと、聞いてんの土方」
「仕事の邪魔だ、消えろ」
「んな冷たい事言うなよな〜」
なぁ土方、こんなにアピールしてんのにどうして気づいてくれない?いや…どうして気づいてないフリすんだよ?
俺はただ、抱き締めてもらうだけでも幸せなのに…触れる事すら許してくれねぇなんて…
そんなに俺が嫌い?
「土方、」
「何だよしつけぇな!!」
「…好き」
「あ?パフェなんざ奢らねぇぞ」
「違う。
俺は、土方が…好き」
ほら、また目を背ける。そしてため息吐いて…面倒くさそうな顔をする。
なんでだよ?
俺は本気で言ってんのに、いつもスルーして立ち去っていく。
「ッ……土方っ」
ある日の俺。
いつものように立ち去ろうとする土方の後ろ姿を見て、堪えきれずに抱きついた。思った以上にでかくて暖かい土方の背中…ずっとこのままで居たいくらいだった。
「いい加減にしろ」
「俺は本気でっ」
「迷惑なんだよ毎日毎日!!仕事の邪魔ばっかしやがって…」
「ちがっ…違ぇよ……俺はただ土方の傍に居たくて…っ」
今まで見たこともない顔で、睨み付けられた。
その顔を見た俺は動けなくなって、俺を引き剥がした土方はさっさと行っちまった。
もうどうしようもなくて、俺はその場に立ち尽くすしかなかった。
もうダメなんだ……
そう、思わされた。
「ひじ…かた……っ…ごめん…」
目の前に好きな人は居ないけど、そう呟いて…俺は万事屋へと帰った。
そして、土方に気持ちを伝えることはもちろんしなくなって、会うことすら避けるようにした。
…それが…
土方のためだと思うから……
俺は…もう土方には近づかない。
END
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飼唾様、リクエストありがとうございましたっ!
いや本当、毎回キリ番を踏んでいただいてしかもリクエストまで…
これからもどんどんリクエストしちゃって下さいね!(笑)
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