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 小さな事でも一言を



土方に会いたい。
かれこれ1週間、顔を見てなければ声も聞いていない。屯所の奴らに聞いてみたら仕事で遠くの方まで行ったらしい。

そんな大事なこと、なんで恋人である俺に言ってくれないんだ。
なんで黙って行っちまうんだよ。

土方の携帯の番号は知ってる、でも電話をする勇気が出なかった。
もしかして俺の事もう嫌になったのかとか、そんな考えがよぎって何も出来なかった。


「…土方…」

愛しい人の名前を呼んでも、目の前に現れるわけもなく…余計に虚しさが込み上げてくる。今すぐ抱き締めてほしいのに、キスもしてほしいのに、どこに居るのか分からない。
俺は捨てられたんだろうか?


「銀さん、銀さんってば!!」

「……なんだよ」

「もう、しっかりしてくださいよ本当、最近ボーッとしてばっかりじゃないですか」

「そんなんじゃ依頼人も来ないアルヨ」


土方を思い過ぎて、日中ボーッとしてる事が多くなった。自分はこんなにも土方が好きなんだと思い知らされる。

毎日のように屯所へ行っては土方が帰ってきたか確認する。でもまだ帰ってこなくて、近藤に聞いてみても分からないとしか言わねぇし、段々切なくなってきた。

俺は何をしてんだろ…そんな考えが出てきて、土方の部屋に行っていつも土方が座っている場所をじっと眺めた。


「…早く帰ってこいコノヤロー」

そう呟いてそのまま横になった。
微かに土方の匂いがする部屋…それが心地よくてそのまま眠ってしまった。




数時間が経って目が覚めた。
寝ぼけていてすぐには気づかなかったけど、俺に誰かの隊服が掛けてあった。
これは間違いなく土方の匂いだ。煙草の匂いも混じってるし。

でももう一つ、嫌な匂いが混じっていた。

「血の…匂い……」

慌てて起き上がり隊服を見たら、それにはかなりの血が付いていてボロボロになってやがる。
これはつまり…土方の身に何かあった、という事だろ…?



「っ…土方…どこだよ土方ぁ!!」

「おわっ!?び、びっくりさせんな!!何なんだ一体!!」

「土方っ…死ぬな土方!!」

「はぁ?
お前何寝ぼけてんだよ…ったく」

「えっ…」


冷静になって、しがみついている土方の体を見てみると傷一つなかった。俺に掛けていた隊服も全然綺麗で、どうやら俺は夢を見ていたらしい。


「っ…土方ぁ……」

「…ちゃんと目ぇ覚めたか?」


コクンと頷くと土方の胸に顔を埋めてキツく抱きついた。やっと、やっと感じれる土方の温もり…土方が俺を抱き締めてくれる感覚…
何もかもが嬉しくて、しばらく離れてやんねぇと思った。


「ただいま、銀時…」

「遅ぇんだよバカヤロー…もう、黙ってどっか行くな…しばらくは離れてやんねぇからな…」

「…お前を手放す気なんてさらさらねぇよ」


土方が帰ってきてから、俺は片時も離れずに何処へ行くにも付いていった。飯の時も、風呂の時も、もちろん寝る時も…ずっと土方の傍に居た。離れたく…なかったから…



「銀時…俺、そろそろやべぇ。ずっと我慢してたんだが限界が」

「…俺を放置プレイしてくれた奴にはしばらくおあずけだバーカ」



END


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シリアスな部分がありませんよね…本当管理人の力不足です、みません(土下座)





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