新しい家族(オマケ)
「そういえば、お前の名前は?」
「…名前…ないの」
「「えぇ!!?」」
思わず皆声を出してしまった。
名前がないって…嘘だろ…
「今まで…お前とかガキってしか言われたことないから…」
「そんな…可哀想過ぎるわっ」
「俺達で名前付けてやろう!!
それで解決じゃん!!」
というわけで、新しい家族の名前を考えることになった。
「えーっと、じゃあ思いついた人から発言してちょうだい」
何故かパー子が仕切って始まった会議。
「はいはい!!」
「早速思いついたの金時?」
「金次郎なんてどう?」
「却下に決まってんだろ」
「えー…じゃあ銀を格好よく言って…シルバーとか」
「外国人かっ」
「いてっ。
…じゃあ銀三郎!!」
「もう黙っとけお前」
「酷い銀八っ!!
俺真剣に考えてるのに!!」
いきなりコントじみた事を始める金時と銀八。
その様子を見ているガキは笑ってる。
「やっぱり銀ってのは付けたいわよね〜…」
パー子は完璧二人を無視してる。
会議が始まって数十秒、既にグダグダになりつつある。
「なんか思いついた銀ちゃん?」
「え…いや…まだだけど……」
「子銀はダメー?」
金時は次から次へと案を出していく。
そして銀八は不平を言う。
「今はいいが大人になっても名前が子銀ってのはなんか嫌じゃねぇ?」
「…ねぇねぇ」
「ん、どうしたのォ?」
ガキがパー子の服を引っ張って尋ねる。
「お兄ちゃん達は名前なんて言うの?」
「あぁ…教えてなかったわね。
その眼鏡をかけてる人が長男の銀八で、金髪の明らかにチャラチャラしててうざそうなのが…次男の金時よ」
「ちょ、うざそうって何!?」
金時の事は普通にスルーして続けるパー子。
「そして三男の銀時に、長女のパー子よ」
「いやお前男だろ、四男だろ」
銀八が冷静にツッコミを入れる。
ガキは一通り俺達を見回して…
「俺、銀がいい」
そう言った。
「銀…か……いいなそれ。
それに決まりだな!」
頭を撫でてやれば嬉しそうににっこり笑った。
「これからよろしくね八兄に金兄に銀兄にパー姉!!」
「俺の方こそよろしくね銀っ」
最初に返事をしたのは金時で、銀を抱き上げてちゅっと唇にキスをした。
「おまっ…子供に何やってんだ」
「愛情表現的な♪
銀が大好きだよっていう…」
「あ、じゃあアタシもするわっ」
「んじゃ俺も」
金時に続いてパー子と銀八が銀にキスをした。
「ん…キスって不思議だね!
なんか兄貴達にされるとすごい幸せになるっ!!」
名前が決まったその日から、銀の好きなことは俺達とのキスになった。
いいのかそれって……
……まぁ…銀が喜ぶならいっか。
END
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