従兄弟、参上
とりあえず落ち着いてきた俺だけど、白の奴は今だ銀時を抱き締めたまま離そうとしない。
「久しぶりだなァ…
随分とおっきくなってまぁ…」
「…銀八の方は以前より老け顔になったな」
「てめ、言うようになったじゃねぇか」
「フ…冗談だ。立派な大人になった」
冗談を交えながら会話をする銀八と白。こうやって見てると普通の奴なのに、俺と話す時は人格が豹変したようになる。
要するに俺は嫌われてる。
…なんで嫌われてんのかは知らねぇけど、白の奴が俺を嫌うから俺も白を嫌う。
「ただいまァ〜」
「おー、おかえりパー子。買い出しご苦労さん」
「…貴様がパー子か?」
「あら、あなたが白…さん?」
テーブルに袋を置いたパー子とソファーに座っている白は、互いにじっと見つめ合った。
もしかしたら白の奴パー子にまで酷い事言うんじゃねぇだろうな…なんて心配をしていたが、白の口から発せられた言葉は罵声じゃなかった。
「……あんなに小さかったのにここまで大きくなったのか。綺麗に成長したものだな銀八」
「あぁ、まぁな」
「やっだぁ綺麗だなんて、白さんってば褒め上手だこと。
……白さんもなかなかイイ男じゃない」
白が…あの白が銀時以外の奴を褒めやがった。つかパー子の奴白の隣に座ってるし…触ってるし…。
白は嫌がってねぇし……
あれ、嫌われてんのって俺だけ?
「近くで見ると本当男前〜。
アタシ惚れちゃいそう」
「…悪いな、俺には銀時が居るんだ。だが気持ちだけは受け取っておこう」
そんなやり取りをしながらも白は銀時を抱き締めたままで、銀時は嫌がってる様子はないけどどうすりゃいいのか戸惑ってる。パー子は白にベタベタ引っ付いて…銀八の奴は白と楽しそうに会話している。
俺は、銀八の隣に座ってるだけで何もしてない。……1人だけ仲間外れにされてる気分だ。
「……銀八…部屋…借りるな…」
「ん…おぅ、分かった」
いたたまれなくなった俺はその場から逃げるように銀八の部屋に行ってベットに横になる。
「…何なんだよ、いくら俺だって傷つくっつーの…」
そう呟いてから風呂に入るのも忘れて眠りについた。
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