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コイツの話してた様子から見て、その好きな奴が誰かまでは分かっていないような…。
そしてもう一つ………
俺の事をずっと見ているという所だ。
どうして俺を見る必要がある?
別に見ていても何もないのに。
「……一つ、聞かせてくれ」
「…何?」
「…俺をずっと見ているっていう理由」
それが一番気がかりだった。
俺を監視して何をしていたのか、ただそれだけ知りたかった。
じっと銀時を見つめると、銀時の顔は段々赤くなっていって……
「と、特に理由はないっ!!」
そう言われた。
それから…俺が付き合ってた奴が誰かとまでは知らないという事を知り、別れた事実を誰にも言わないと約束した。
俺をずっと見ているという理由は分からないままだったが。
「…そろそろ帰るか」
ファミレスを出て、銀時と並んで歩く。
「先輩、悩み事ある時は俺に相談してよっ!!
俺いつでも相談にのるからさ♪」
「バカかお前…どこに後輩に悩みを相談する先輩がいるんだよ。
つか……それは俺の台詞だ」
ぽんっと銀時の頭に手を置き、軽く微笑みかける。
…俺の事を心配してくれた礼に。
銀時は、嬉しそうな顔をしてにこにこと笑った。
そう……
この日から俺は、少しずつ明るさを取り戻したんだ。
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