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なんでコイツがそんな事知ってんのか何の心当たりもなくて、ただ動揺を隠そうと平静を装った。
だが、否定する言葉は何一つ言えなかった。
「……やっぱり…
先輩、最近恋人と別れたもんね」
「な…っ……」
どうして、なんでコイツはそこまで知ってんだ。
屋上での事を聞かれてたのか…
何にせよ、このままだとヤバイ。
教師と生徒が付き合ってた事が、バレちまったんだ。
「お、おい銀時……」
「…なんで知ってるのかって思ってるでしょ」
俺が誰にも言わないでくれと口止めをしようと口を開くと、銀時は呟くように話し始めた。
俺、ずっと先輩の事見てるから…なんとなく分かるんだよ。
少し前までは…先輩すごく幸せそうだった。昼休みが終わったばかりの時間とか特に。
一人で歩いてて愛しい人を想ってるような顔したりしてたし。
でも…最近の先輩は変わった。
いつも…どことなく寂しそうな顔をしていて、毎日が辛そう。
愛しい人を想ってる顔を、見なくなった。
だからすぐ分かったんだ。
先輩は好きな人と別れた。でも、まだその人の事が好きなんだって。
「………」
「そうでしょ、土方先輩」
コイツは…そこまで分かってたのか。
だが、疑問が残った。
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