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先生

「先生」

……。

「先〜生」

………。

「おいコラ聞いてンのかよ」

………ピキ、

「なんだよ名前で呼んで欲しいのか?しょ〜がねぇ奴だな、おい銀パ」
「違ああああう!!」
バキィ!!

「痛で!!…てめ、何しやがんだ!!生徒に手出していいと思ってンのかよ!?PTAに訴えんぞコラ」
土方は俺の拳がクリティカルヒットした顎を抑え涙目で睨み付けてきた。ジンジン痛む拳を握り直しゆらりと起き上がる。
「…PTAだぁ?上等じゃねぇかコラ、こっちはお前MKG(マジで告発する5秒前)なんですけど」
力の入らない身体を伸ばして床に落ちていた眼鏡を拾い掛けると嫌でも見たくない面が焦点を結ぶ。土方は全く反省の色の無い顔で少し赤くなった顎をまださすっていた。
「先生〜意味が解りません」
「意味が解らんのはこっちだボケェェェ!!何?何この状況!!ここ何処だと思ってんの!?つか何シテくれちゃってんの!?」
「何って…此処は国語資料室で、今まで先生をあれやこれやでイかせまくっデボアアア!!」
二度目の昇竜拳をお見舞いして完全に伸びきった土方もといバカ生徒を資料室から叩き出した。全裸に白衣を纏っただけの俺とは違ってちゃんと制服を着ているから大丈夫だろ。とにかく今はもうあのバカの顔は見たくない。少しそこで頭と下半身を冷やしやがれ精神中2が。

「…ったく」



今日みたいな事はぶっちゃけ一度や二度じゃない。アイツの担任になったこの春からあのバカは学校でもサカッてくるようになった。
元々土方は俺が大学生の時バイトでやっていた家庭教師先の中学生で、その頃から既にアイツとは身体の関係があった。中坊相手に信じられねぇが今時のガキは末恐ろしい。アイツの部屋でアイツのベッドで階下に親御さんがいるのを判っていながら身体を暴かれた。
それからカテキョに行く度に勉強そっちのけで身体を貪り合って、今思えば金を貰って生徒の学力を向上させなきゃいけない身なのに、結果余計な知識だけ向上させてしまった気がする。お互い若かったんだ。
それでも何とかアイツを高校生にして、俺は教員免許を手に入れた。土方とはそれっきりにしようと思ってたから半ば連絡を絶つように姿を消した。

なのにー…

何の因果が初めて赴任した高校はアイツの通う銀魂高校だった。
神様これは生徒に手を出した(つーか出されたんだけど)罰ですか?それともただのイヤガラセですか。受け持ったクラスの名簿には頭に染み付いた土方十四郎の名前と見飽きる程目に焼き付いた目つきの悪いオトコマエ。
もうおしまいだ、グッバイまだ始まったばかりの俺の教師生活。いや、むしろまだ始まってもいないのに。
教室で顔を合わせた時アイツは信じられない、というような少し呆けた顔をしていた。なるべくそっちを意識しないようにしてHRを終わらせ教室を出ると、予想通り土方は追い掛けてきて俺の肩を掴んだ。
クソ、俺より下だった目線がだいぶ上がっていて顔付きも大人びている。土方は、息を切らして「先生」と呼んだ。



『先生』



俺たちの関係はあの頃から何も変わっちゃいない。変わったのはお前の背丈と俺の視力が少し落ちた事。

それともう一つ。



春風に乗って、土方の学ランから煙草の匂いがした。




end.




水狐様、大変お待たせしました!!(待ってない?)
あとすみません、リクは『3Zで放課後イチャ』だったのに全然イチャイチャしとらん…(((゜д゜;)))アレ?

ご希望があれば書き直しますので遠慮なく言って下さい(>_<)

では、相互ありがとうございました♪
メグミ






あきゅろす。
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